第48話 ワームは幼稚園児??


『えっ…、え、これってもしかして…、全部 巨大蚯蚓アイツら?』

「うん」

『えー…、人手ひとでって…、あー、うん、いいんじゃない?』


俺の背後はいごでニコニコと笑うワームたち。

あの後、ワームたちを連れて一回いっかい少女にもらったあの島に転移てんいして、雪花たちを呼んで来たのだ。


「さて、それじゃあ…、そうだな、みんな丸くえんになってー」


俺の言葉ことばでワームたちが丸く俺たちをかこんだ。

そして体育座たいいくずわりになる。

うん、幼稚園児ようちえんじかな?


「えーと、まずは、島の名前をなににしたいか!

 最初さいしょはみんなの意見を募集ぼしゅうしたいと思いまーす」

【はいみゅ!】


ビシッと手をげたのは女の子。

ちょっと分からなくなっちゃうので、帽子ぼうし髪飾かみかざりに名前を書いてもらっているのだが…


「どうぞ、ミムちゃん!」

【えっと、あけのさん?のしまは、ほしふりじまなんだから、ここは、つきがけじまがいいとおもいます!】

「なるほど…、『つきがけじま』、賛成さんせいの子はー?」

【【【みゅっ!】】】


5人ほどちらほらと手をあげる。

まるでしたったらずな幼稚園児ようちえんじ発表会はっぴょうかいに来ている気分きぶんである。

ささっと手元てもとの紙に『月崖島つきがけじま』と書き、5ととなりに書き込む。

漢字かんじあってるよね?


ほか意見いけんの人ー」

【はいみゅっ!】

「どうぞ、えーと、フメくん!」

【みゅ!セイにいちゃんは、おつきさまみたいなひとだから、きつねとつきで、こげつとうがいいとおもいます!】

「なるほど、少しずかしいけどいいですね、『こげつとう』、賛成さんせいの子はー?」

【【【【【はいっ!】】】】】

「えぇっ!?」


先ほどの7倍ほど手があがる。

おどろきと羞恥しゅうちふるえる手で紙に『狐月島こげつとう』と書き込み、そのとなりに、さ、さんじゅうご…


「えーと、ほか意見いけんは…?」


シーーーーーン………


え…、マジ…?

これじゃ…、多数決たすうけつで『狐月島』になってしまう…!!

俺を羞恥しゅうちで殺す気か、おまえら…!!

まわりから(雪花たち&ワームじん)ニマニマとした視線しせんを感じる…!!


「えぇい、『狐月島』に決定けってい!つぎ、つぎー!」

【【【【わあああああ────!!】】】】


ぱちぱちぱちぱちー、と手をたたくワームたち。


「えーと次は、家をてる場所です!

 家はだいたいそうだな…、にわも入れてショッピングモールきゅうのデカさとなりまーす。

 狐月島は全体的ぜんたいてきに丸い島で、北には山、西から南にかけてぶっとい川があります。

 なので必然的ひつぜんてき東南とうなんに作るわけですが、材料ざいりょうおもに山から採取さいしゅします。

 ですが、山には渓谷けいこくもあるので注意しましょう!

 それと、山の中には巨大きょだい地下空間ちかくうかんが確認されています。

 洞窟どうくつを見つけても入らず、ムムおよび雪花たちに報告ほうこくしましょう!」

【【【【はーい!】】】】


そして、ワームたちを8列にならばせる。

(約40人いるので一列5人)


「えーと、一列いちれつ一部隊いちぶたいとしてあつかいます。

 まず、第一部隊だいいちぶたいは…、えっと、レアちゃんが隊長たいちょうね。」


という感じでぜん部隊ぶたい隊長たいちょうを決定。

第一から第五は家、第六から第八には庭をお願いした。


「それじゃあ雪花、俺はちょっとログアウトするよ」

『わかった!』


雪花はAIなのに『ログアウト』という仕組しくみを理解りかいしていて、すぐにおうじてくれた。

雪花がうなずいたのを確認かくにんし、俺は『ログアウト』の表示ひょうじをタップした。

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