【9000PV感謝！】神狐様が通る！

第41話 乱入と契約、そして『強制特殊クエスト』

ちょっとシリアスになりかけた空気。

だが、その空気は次の瞬間にぶち壊（こわ）された。

ドタドタドタドタ

バタバタ

ゴスッ

バキャッ　　　　　（←えっ？）

ゴロゴロゴロゴロ

ドカーン！！　　　（←何があった）

ドン

トタトタトタ…

『あっるじー！』『セイー！！』『セイ！』『あるじ様！』

麗、雪花、白華、がドアをぶちやぶって転がりこんで来る。

あとから天花が急いでやってきた。

待って待って、音が今おかしかったよ？

途中（とちゅう）で『バキャッ』っていわなかった？

おかしいおかしい、まさか床（ゆか）をぶち抜いたの？

って、言ってる場合じゃ無い！

白華は賢（かしこ）く、すぐにブレーキして勢（いきお）いを殺した。

だがそんなこたぁ考えれねぇアホども（約２名）が勢いのまま転がってくる。

ぶつかるぶつかる！！

「ストップだ雪花！黒猫ちゃんが驚（おどろ）いてる！

　あと一歩こっちにきたらその瞬間（しゅんかん）に、今日の晩飯（ばんめし）抜きが決定するからな！！」

『ッ！？』

その言葉で雪花はストップした。

まぁ止まりきれずに顔面（がんめん）から床にぶつかってたけど自業自得（じごうじとく）ってことで（笑）

だがしかし、問題は麗さんである。

そのまますっ飛び、俺の腹にクリーンヒット。

「あ”あ”あ”あ”あ”！！」

『あっ』

『あっ』じゃない、『あっ』じゃない、やばいやばい、クッソいてぇ、こんな嬉しくないクリティカル初めてだよ！

『ところでセイ』

『ボクたち、セイに聞きたいことがあるんだー♪』

雪花はキラキラとした瞳で、腹痛（ふくつう）を訴（うった）える俺に言った。

『そこの白猫さんと黒猫さんは、新しい仲間？』

その愛（あい）らしい口から放（はな）たれたトンデモ発言（はつげん）に思わず咽（む）せた。

いやいや、ただ助けただけの相手を、なぜに契約相手（けいやくあいて）に考えるのかな？

しかもさ、その相手は元とはいえ天下（てんか）の勇者様だぞ？

『あっ、いいね、ボク、恩返（おんがえ）しをなににしようか迷（まよ）ってたんだ。契約（けいやく）ね。』

『だよね！えっと、じゃあ名前考えよう！』

『ボクの勇者時代の名前はダサすぎて使いたくないなぁ』

『うーんとじゃあ、ムイとか？』

『それはちょっと────』

だが、俺のことを無視（シカト）して勝手に話を進めていくふたり。

ちょっ、なんで？

そして黒猫ちゃん？そんなキラキラした曇（くも）りなき眼（まなこ）で俺を見つめないで？

断（ことわ）りづらくなっちゃうじゃん。

『うーん、もうこれはセイに決めてもらおうか』

『そうだね、セイはネーミングセンスがバツグンだから、期待（きたい）していいよ！』

やめてえええぇぇぇ！！！！

期待を大きくしないで！お願い！

「はーぁ、わかったよ。もー、毎回毎回（まいかいまいかい）雪花に煽（おだ）てられて契約してるよな、もう。」

『テヘペロ』

舌（した）をちょっと出してウインク。

どこで覚えたんだよまったく。

「それじゃ…、《契約》」

ブブン、と白く光る魔法陣（まほうじん）が組（く）まれ、魔術式（まじゅつしき）が編（あ）み込まれていく。

そして光が収まった時、俺の前にはウィンドウが出ていた。

《New！　？？？と混血との契約が成立しました！》

《New！　レベルが上がりました！》

《New！　レベルが上がりました！》

《New！　レベルが上がりました！》

《New！　称号・絆ヲ紡（つむ）グ者を獲得しました！》

《New！　スキル・無害化を獲得しました！》

『それで？ボクの名前は？』

期待の眼差しに答え、俺は新しい仲間を歓迎した。

「ソル。お前はソルで、黒猫ちゃんがサクラだ」

俺の言葉に、２匹は顔を見合わせて笑った。

その時、セイは気づかなかった。

ひっそりともうひとつ、通知が来ていたことに────。

────《強制特殊クエスト・「精霊神への道」を開始します》