第17話 超絶不審者

前回のあらすじ:大男筋肉ダルマに勝った。ストレス発散!


「ありがと、精霊さん」

〔いえいえー〕

〔ぼくたち、セイのことすきー〕

〔だからおねがいきいたー〕

〔だからかなえたー〕


純粋じゅんすい無邪気むじゃきな精霊たちを見てるといやされるねぇ〜。

見習いたまえ!!雪花くん!!


「(炎帝を倒した…)」

「(ウソだろ…)」

「(纏炎まといえん、指を鳴らしたら消えたよね?)」

「(ヤバくない?)」

「(ていうかあの刀…、一撃でHPを削りきるって。)」

「(どんな攻撃力だよ…)」


なんかごちゃごちゃ言われてる………


「《隠密》」


うむ、これでよし。

とんずらするぜぃ。

俺を見失った野次馬観衆がざわざわしているが知らない。


「よっ…と」


近くの塀に上り、そこから屋根にジャンプする。

そこからたたたんっ、と走り出す。

いいねいいね、近道〜♪


「《跳躍ちょうやく》」


もらったばかりのスキルで屋根と屋根の間も軽々いけちゃう。

スキルっていいね!


「そこの君!!」

「ひぁっ!?」


誰でさ!?

振り向くと、金髪碧眼きんぱつへきがんの男がいた。

クソ、コノイケメンめ!!って一瞬考え、次の瞬間理解する。

俺ってば壁ドンされてる!?

壁ドンって相手がときめけばセーフだけどときめかなかったら恐喝きょうかつと同じなんだよ!?

警察GMに連絡するぞ!?


「な、ななななな??」


隠密おんみつ発動はつどうしてるよね??

跳躍ちょうやくしてたし、結構けっこう俊敏しゅんびんパラメータに自信あるんだけど!!


「君に少し話があるんだ!!」

無理無理無理無理無理ムリムリムリムリムリ!!!

 《隠密》《隠密》《隠密》《隠密》ぅぅぅぅっ!!」


かさけして逃走する。


「むむっ!?」


見失ってくれて結構です!!

全力で逃走し、しばらく追ってきたがギリギリで振り切った。


「はぁ、はぁ、ひぃ、ひぃ…」


こ、このゲームって、疲労感ひろうかんまで、再現して、くれるんだね…!!

してくれなくてよかったよ…!!


「君ー!!」

「きゃああああああ!!」


またきたあああああ!!

幽霊だあああああ!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ピロン


「なんだよ!?」


鬼ごっこを始めておよそ小一時間こいちじかん

コツを掴んできたときにウィンドウが出た。


〜〜*-*-*〜〜〜

スキルを取得しました! New!

〜〜*-*-*〜〜〜


「スキル…?」


〜〜*-*-*〜〜〜

スキル名:気配察知

レベル:1

属性:常時発動系スキル

効果:効果範囲内に入ってきた「敵認定」の相手を感知する。

範囲:半径5メートル

※レベルに応じて範囲拡大

使用しますか?《YES》《NO》

〜〜*-*-*〜〜〜


「!」


めっちゃいいのキター!!


「YES!!」


いくぞ!やったる!ここまできたらヤケクソだ!

逃げ切るぞ!!えい、えい、おー!!


ピピピピピピピピピピ!


「ッ!?」


きた!

ウィンドウに表示された丸い緑の円。

中心には俺を表す青い点。

そして…、アイツを表す、赤い点。

赤い点が移動してるが…、

はっや!

近ずいて来るの早!!


「あああああああ!!!」


俺の発狂はっきょうが空に響いた。

その日、俺は炎帝筋肉ダルマよりも強いクセに何かから逃げ回っていたヤツとして十大IWO伝説の仲間入りなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る