第16話 決闘だ!!

前回のあらすじ:ブチギレ→決闘開始(カーン!!)


結構いい音を立てて男に手袋を当てたが、俺の怒りはまだ収まらない。


〈うわ、セイめっちゃ怒ってる〉

〈ド怒り遊ばせてるね………〉

『うわぁ、こっわ。引くわー……』

「おいそこ!」

〈『ギェ、バレた!』〉

〈ごめんなさい!!〉


うむ、ゼフィは素直でよろしい。

あ、でも雪花はおやつ抜きでレヴィは今回出番なしな。


〈そ、そんなーっ!?私も戦いたいーっ!〉

『ウソーっ!?御慈悲おじひをーっ!!』


ぎゃいぎゃいと抗議こうぎしてきてうるさいので、念話をぶち切った。

よし、これで静かになった。


「よろしく、ゼフィ。《刀化とうか》」

〈はい〉

 

短剣がみるみる伸び、刀になる。


「な…、刀…っ?」

「ん」


ぶんぶんと振るが…うむ、問題なし。

というか使いやすい。

え、現実リアルでの俺の愛刀あいとう雪羅せつらよりやりやすいんだが!?(俺の実家は道場)

ゼフィ有能!!


「カモンベイベー」

「っ、うおぉぉぉ!!」


煽り耐性ひっく!!


「ハァッ!」


拳を突き出してくる。

わあ、安直。

右に避ける。


「《纏炎まといえん》」

「えぇっ!?」


拳から火が噴き出す。


「いやいやいやいや、何それ⁉︎

 こっわ、怖!イカれてんじゃねぇの、そんなのってアリ!?」


どっから火出てんの!?


「うるせぇぇぇ!!そんな仕様なんだからごちゃごちゃ言うなや!」

「いやいやいやいやいや!精霊さん!!」


叫んだ俺の言葉に、小さな声が応えた。


〔はーい〕

〔よんだ、よんだ?〕

〔なーぁーに?〕


その瞬間。

ユニークスキルの《精霊眼エレメンタル・アイ》が発動する。

かちん、とスイッチが切り替わったような感覚。

そして…、俺の瞳には、光が映った。

小さな光がふわふわと漂う。

そう、これが《精霊眼》の効果。


〜〜*-*-*〜〜〜

スキル名:精霊眼

種類:ユニーク

レア度:☆☆☆☆☆☆☆

効果:精霊を視認できるようになり、言葉がわかるようになる

〜〜*-*-*〜〜〜


「魔法の発動を解除!」

〔わかったー〕

〔かいじょ、かいじょー〕

〔セイのおねがいー〕


ぱちん!


俺が指を鳴らしたのに合わせ、精霊が魔法を解除する。

ふっ、と男の拳から火が消えたのを確認し、刀を振る。


「ゼフィ…、《切り裂け》ッ!!」

〈やぁっ!!〉


ゼフィの刀身が新緑色に光り、スキルが発動する。

その瞬間。

ゼフィのステータスの“鋭さ”が75から150にブーストされる。


ザンッ


勝利You winner!》

《報酬:スキル《跳躍》》


「ふぅ…」


いやぁ、すっきりした。

最近ストレスたまってたからネ。


〈怖…〉

『ひぃ…』


雪花?レヴィ?


『〈ギェ、バレた!!〉』

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