第11話雪花とゼフィアルトとレヴィアデスタ
前回のあらすじ:喋る剣の仲間ができた。そうとしか言えないのはなぜだろう?
『セイ!あれ!あれ食べたい!!』
「ハァ!?ついさっきフーマ爺んとこでたらふく食ったくせに!!俺の分も!俺の分も!!」
〈二回言ったわよ!〉
「知ってる!あえて言った!大事なことだから!!」
途中で口を挟んできた女の子の声。
それは、俺の短剣の片方の声だ。
いや。正確には短剣に
『セイのケチ!』
「狐の大食い!」
〈わぁ、お姉ちゃん、止めないと!〉
〈大丈夫よ〉
〈いや、大丈夫じゃないでしょ!?〉
「『がるるるるる……』」
威嚇の声を上げる俺と狐を止めようとする男の子の声。
もう一本の短剣の精霊だ。
どうやら
「よし、狐!あの串焼きを食べたら
『ぐっ、それは…』
〈あ、言葉に詰まった。〉
〈食べるつもりだったのね…〉
まったく…
『………、おなかすいた』
「………」
明らかにしょぼんとする狐。
「はぁーっ、まったく…しかたないな」
『!』
「いいか?俺は買わない。でも、作るならいい。」
『ほんと!?』
「あぁ。フィールドで肉狩るぞ!」
俺の言葉を聞いた狐は、にぱっと笑って言った。
『うんっ!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「狐、ひっかく!」
狐が俺の指示に従い爪を振りかぶる。
するとシステムがスキル発動を感知して緑のライトエフェクトが爪に宿った。
『やぁっ!』
『ぴぎゅぅ!』
爪がウサギにヒットした。
狐のスキル、『ひっかく』。
爪で攻撃した相手のダメージが1.5倍になる。
運良くクリティカルが出たので、ウサギは肉を落として消える。
クリティカルヒット。
5%の確率でダメージを2倍にする。
「よし、これでいいな」
『お・に・く!お・に・く!』
るんたったと踊り出す狐。
〈僕らの出番なかったねー〉
〈レベル上げだしねー〉
短剣たちが話している。
「なぁ」
『ん?』
「狐、名前いる?」
『くれるの!?』
〈あっ、ずるーい!私も欲しい!〉
〈えと、えと、僕も…〉
「え?あーそうか………、わかった。」
〈やったー!〉
狐のは考えてたけど…双短剣は予想外だった。
うむむむむ…
「えーとまず、狐の名前は“
『はいっ!』
「んで、短剣の姉の方がレヴィアデスタ。」
〈カッコいいわね!〉
「弟の方がゼフィアルト。」
〈わぁ…!〉
気に入ってくれたらしい。
実はコレ、フーマ爺と悪ノリして作った名前だが、厨二すぎて却下されたボツ案なのだ。
ボツ案復活。
「さーて、街に帰るぞ、狐…雪花!」
『うんっ!』
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