第2話 強烈なる悪寒

前回のあらすじ:最新VRMMO RPGを妹が(押し付けて)くれ(やがっ)た。


「ん…」


長い睫毛に縁取られた瞳をパチリと開け、体を起こす少年…星斗。


「………?」


いまいち状況を把握していないらしく、眠たげな瞳で何度か瞬きし………記憶が蘇ってきたのかハッとする。


「え、あ…?ここ…VRMMO?」

「その通りですぅ〜」

「ッ!?」


ずざあぁぁっ、と女性から離れる星斗。


「えへぇ、驚きましたぁ〜?私はぁ〜、水の精霊のウィンディーネですぅ〜」


ほわっとした女性だった。

水色の髪、水色の瞳。

真っ白な肌と薄水色の記事で作られたワンピース。

半透明な水のようにすけた体が精霊ということを証明している。


「せ、精霊?ナビゲートAIじゃなくて?」

「はい〜。ナビゲートAIさんを押しのけて出て来ました〜

 今もめっちゃ入ろうとして私の結界に拒まれてますねぇ〜AIさんってば結構粘り強いですね〜。」


訳がわからないと怪訝100%な目を向ける。


「はぁ。とりあえず、アバター作ればいいんでしょう?」

「はい〜、えーっとぉ、まずは…」


その後決めたアバター設定はこうである。


〜〜*-*-*〜〜〜

名前:セイ

性別:男

種族:混血(月狐げっこ・吸血鬼)

Revel1

魔力:100

体力:150

俊敏:50

筋力:50

頑丈:50

運気:100000

加護:

技能:〈鑑定〉〈隠密〉〈言語解読〉

称号:〈精霊と友好を結びし者〉〈神子みこ

倉庫:〈初期金・三万チコル〉

〜〜*-*-*〜〜〜


「あ」


ふとウィンディーネ…いや、ディーネが声を上げた。

ん?とそちらを向く星斗…セイ。

ディーネの顔は『しまった』と言っていた。

反射的に、猛烈に嫌な予感が悪寒となってセイの身を襲う。


「………ディーネさん。ちょっと俺この件には関わりたくないなー、なんて…」

「エ?ナニカイイマシタカ?」


素早くディーネがセイの服の裾を掴む。


「は・な・せ〜!!」

「むりですぅ〜!死なば!諸・共!」

「クッッッッソ迷惑!!」


しばらく言い合い、セイがついに『ばっかみてぇ』と思い始めた時。


パリイィィィィン………!!


悪寒どころではない。

絶対に面倒ごと。

ヤバい気配がぷんぷんする。

セイは恐る恐る後ろを振り向いた。

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