【9000PV感謝!】神狐様が通る!
夜風 天音
第一章 第1フィールド
カザグルマの始まり
第1話 始まりの風
「ぱーどぅん?」
にっこりと引きつった笑みでそう言う少女…否、少年。
シュッとした
髪が長ければ間違いなく美少女だろう。
鼻にまでかかる前髪をヘアピンで抑えている。
そんな少年と
「ぱーどぅんってどういう意味?」
「申し訳ありませんがもう一度言っていただけますかって意味だよ!!」
「なるほど??」
よくわかっていないようだが、プライドに
それから少女はもう一度話し出す。
その話を
コンビニでガラガラを回し、見事一等を当てた。
しかし、少女は自分はひとつで十分。
誰にあげようと考え、兄たる少年に渡そうと考えたのだ。
「はーっ。拒否権は?」
「ないよ?」
え、何言ってるの、あったり前じゃん。
そう、
「だと思った。さて、こんな素敵なプレゼントをくれた我が妹にサプライズだ」
「え?なんか寒気が…。怒ってる?」
にっこりと青筋の入った顔で笑う少年に寒気を覚える少女。
「今夜の
「きゃああああああ!!それだけはやめてぇええええええ!」
少女の言葉を無視し、二階の自分の部屋へさっさと上がってしまう少年。
彼の名は星斗。
ひとりの、まだ平凡な少年の名前。
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「せーいとっ」
「……………なに」
「勉強教えて!!」
「ハァ?
「えー、セイの方がわかりやすいんだもん」
「なーにが、もん、だ。」
話しかけてきた元気な少年は
話題に出てきた
イケメンで成績が良く、優しい彼はきっと
ちなみにだが、『セイ』は星斗の
「学年一位が何言ってんですか」
「そのまま返すぞ何言ってんだ」
「
「ナルホド、鈴か。」
「ッ!?」
鈴。それは星斗の妹の
「お前がそんなだらしない顔になるのは鈴関係だ。」
「………」
「ほら、否定できない」
んべっと舌を出し、どこがわからないのかを聞く。
「えーとネ。まず、Bの4番!」
「は、お前これがわからなければ次のテストで
「そんなッ!?」
「ありがと、これで明日のテストは100点だ!」
「そう言って前回32点だったクセに」
ひらひらと手を振り、学校を出る。
ふと星斗は考えた。
そもそも昼休みではなく放課後に勉強を聞きにくるとは、アイツは俺の邪魔をしたいのか?
そう思いながら帰路をたどっていると、向こうからたたた…と白猫がやってくる。
「ブランカ!」
「にゃあっ!」
その姿を確認した
「久しぶりだな。元気だったか?」
「にゃにゃぁ」
「そうだ、久しぶりにウチに来るか?」
「にゃっ!!」
生まれつき動物の言葉がわかる星斗は、地域の動物たちと友達だ。
鳥、野良猫に野良犬たちは意外と
あるとき野良犬が言葉がわからないとたかを
もちろん星斗はそのことを警察に通報し、お手柄になったことがある。
「じゃあ、ノワールを呼んできてくれ。」
「にゃっ!!」
ばびゅんとものすごい速さですっ飛んでいくブランカを見送り、星斗は再び
こころなしか少し嬉しそうに、早足になる。
星斗のもうすっかり暑くなった日差しで
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