第47話 おじいちゃん神様じゃない②

 いくつもの、火の玉が出てきたと思ったら。


 クルクルと回り出して……だんだんと風ぐるまのように形を変えて。


 おじいちゃん神様らしい、美形イケメンの周りで回り出して。


 おじいちゃん神様は……軽くターンをしたら、扇子をひらりひらりと煽り。


 ダンス? いいえ。


 舞を始めたわ!!


 ゆっくりめだけど、とっても素敵!!


 動くたびに、綺麗な衣装の揺れ方と風ぐるまの火がマッチして。


 エンターテイメントでも、最高のショーへと一変したわん!!


 音楽はかすかに聞こえるけど、ほとんど風ぐるま火の粉の音で十分。


 おじいちゃん神様の舞が、少しずつ早くなって。バック転とか、バック宙とかが決まっていけば。


 さすがのエルフ達も声を上げたわ!


 ミディアちゃんは特に声は出さなかったけど、拍手はしてた。



『やー。練習しまくった言っとったけど』


『……本当におじいちゃん神様?』


『せやで? 神力をぎょーさん使うから、しょっちゅうはきついらしいんやて』



 ってことは。


 普段のおじいちゃん神様の姿は、省エネってとこかしらん?


 それから、二十分くらい?


 おじいちゃん神様が踊るに踊って。


 締めの挨拶をしたところで。


 ぱちんって、茶目っ気たっぷりのウィンクをしたら……登場と同じ感じで消えてしまったわぁ。


 あんな事すると、普段のおじいちゃん姿が重なるわね? とアタシは思った。


 姿形はどうであれ、中身は中身ってね?



『……おじいちゃん神様はそのままね?』


『せやなあ。次行こか?』


『楽屋とかに挨拶行かなくていいの?』


『神さんも元の姿でどっか行きはっとるわー』


『ふーん?』



 即座に切り替え……か。


 なんか、あのおじいちゃん神様らしいって気がしたわぁ。


 とりあえず、他のエルフ達が移動し始めたので、ミディアちゃんは飲まれないように、次の目的地を目指したわ。

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