筋トレにも色々ある

 筋トレとは言ってもいろいろな種類がある。

 いわゆる筋トレは筋肉を破壊して、その超回復を利用して筋力を増強する。僕が知っているのはこれだけで、大学の頃は毎日300回くらい腕立て伏せをしていた。

 ところが、老人用の筋トレはそうではないらしい。


 歳をとると筋肉の回復も遅くなる。筋肉痛が翌々日に起こるのもおそらくそのせいだろう。

 そんな状態で全身の筋肉を破壊してしまったら、かえって身体を悪くしてしまう。高齢者向けの筋トレはゆるゆると身体を動かす。どちらかというと筋トレというよりはストレッチに近い。どうやらそれでも十分な効果を得られるようだ。


 よくご老人が朝の散歩をしていることは皆さんもご存知だと思う。

 あの歳の人だとそれでも充分みたい。

 ちゃんと腕を振って、良い姿勢でただ歩く。

 それでもちゃんと身体は動くし、最低限の筋力は維持できる。

 人間、歩けなくなったら後は死ぬだけ、とよく死んだ父は言っていた。


 入院中はリハビリのセッションが毎日3回セットされていた。それぞれ30分。歩行訓練と知能訓練、それにストレッチ。

 歩行訓練は帰宅後にちゃんと生活できるよう、歩くことと階段を登ることを目的に行われていた。

 病院にはあまり階段がないので、非常階段の一つを利用して登ったり降りたりする。リハビリ中はバランスの取り方とかをアドバイスされた。

 どうやら僕は先天的に左側が弱いらしい。左利きなのに不思議なことだ。

 それはともかく、身体が少し左に傾く。歩いているときはそれが特に顕著だ。

 トレーナーの人がスマホでビデオを撮ってくれたのだが、確かに身体が傾いでいる。

「これはどうしたものですかね?」

 僕はトレーナーさんに訊ねてみた。

「うーん、気をつけてまっすぐに立つしかないですね」

 証明写真でも確かに左肩が落ちている。言われなければ気づかなかった。


 そういえば以前、筋力の低下に気づいて僕はケトルベルを買っていた。重さは8キロ。丸いボディにやかんのようなグリップが付いている。[https://amzn.to/3Pr0cJ1]

 これはロシアのダンベルのようなのだが、さまざまな運動が可能だ。腕だけを鍛えることもできるし、全身運動もできる。[https://bit.ly/3JqntXz]

 基本操作は身体の前でスイングするだけ。これでも8キロあると肩と首、それに腹筋・背筋、腿の筋肉が鍛えられる。

 帰宅後、これを10回ワンセットで1日に3回行うことにした。

 久しぶりに握るケトルベルは重い。

 腰を落として床に置いたケトルベルのグリップを両手で掴み、姿勢を正してエイヤっと前の方にスイングする。

 久しぶりなので10回スイングするだけでも息があがる。

 ともあれ、これを継続すれば少しは筋力がつくだろう。


+ + +


 ケトルベルの効果は絶大だった。2、3日後には早速肩の痛みがなくなった。まだ首は痛むが、これは病院でもらった塗り薬と痛み止めで誤魔化している。

 階段の登り降りも問題なし。休むことなく5階まで登ることができる。


 問題は買い物だ。うちの近所には生協があるのだが、歩いていくには少々遠い。そこで電動自転車で行くのだが、自転車がポンコツなのでギシギシ鳴る。

 ついでに言うとカゴが小さい。あまり大量の買い物はしないのだが、それでもカゴにうまく入らないことがある。

 このカゴ問題は猫たちの輸送にも支障がある。

 猫を獣医に連れていく時にはペットキャリーに入れて連れていくのだが、このペットキャリーがカゴには入り切らないのだ。

 獣医に行く時はいつもペットキャリーをカゴの上に乗せ、片手で押さえて運転する。危なっかしいが他に手段がない。

 なんとか今まで無事に輸送することができているが、これは少々考えないといけないかも知れない。


 ともあれ、なんとなく1日のリズムができてきた。


 10時前に起床、その後ケトルベル

 ↓

 身支度と飲み物少々

 ↓

 ヘルパーさんが来てご飯の支度と簡単な掃除

 ↓

 2時頃にお昼、その後ケトルベル

 ↓

 しばらく執筆とインターネット

 ↓

 8時からクラブハウス

 ↓

 途中で夕食

 ↓

 10時過ぎに就寝、その前にケトルベル


 ところで今は引越し先を探している。ところが生活保護+猫を受け入れてくれるお家が意外と少ない。

 この顛末についてはおいおい綴っていこうと思う。

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