死神の男
「あ!」
ざしゅ。
ぱ!
「ク」
「クフフフ……」
「アハハァーッハッハッハ!! 良い顔ぉ!!」
「はひーっ、はひーっ、はぁっ、はぁっ!! ……え!?」
「あははぁ、驚いたかい?」
「はっ、はっ、はっ……」
「驚き過ぎて声出なくなっちゃった? あはははは……可愛いよホント、そういう顔。とてもそそられる」
俺の頬を両手で挟みその額を俺の額にくっつけ満足気な笑み。その隣にはでっかい、ごっついナイフがギラギラ突き立っていた。ぱっと飛び散った森の細かな冷たい土が不味いやら汗で頬に張り付くやらで兎に角不快。
俺、マジで何してるんだろう。何させられてんだろ。
心が強姦されてるようなそんな気持ち。
目尻にじわ、と溜まるのを感じずにはおれなかった。
「って、ちょ! おいおい何ホンキにしてんのよ! え? ジョーダンに決まってんだろ? じょ・お・だ・ん! 心配しなくってもお前みたいなキャラクタがこんな簡単に死ぬわけねぇよ。まあまずは立てや。話があるんだ。――これはホントだよ?」
「はあ、はあ、はあ」
優しい満面の笑みの先、こちら側に伸びる柔らかな手。
腰が抜けてガクブルと震える足腰をその手に縋って無理矢理立たせる。何かに掴まらないとやっておれない程には動揺していたが、奴にだけは頼りたくない気もして
そっと距離を離せば彼がそれに気づいた。
「ん? 何。まだ怖い? アッハハハ、お前さんは怖がりさんだなぁ。だーいじょうぶだってば! そんな心配しなくたって寿命はまだまだたーくさんあるんだから。お前さんは何があっても絶対死なないよ? な!? だからそう気にしなさんな!」
そう言って元気に背中を強くバンバン。
や、そんなこと言われても元気になんかなれないんですが……。
青い顔のまま苦笑い。
何でだろう……楽になるためにここに来たのに、いつの間にか死ぬより恐ろしい事になっている気がする。
「で、話って何なんですか」
早く終わらせて早く自由になりたい。この際、生死の如何は問わないから。
そんな気持ちが乗っただろうか。小声でセカセカ、声が上ずりながら舌がはやく回った。
「まあまあ慌てなさんな、お前さんにとってはとんでもなく良いお話なんだからさ。ほら、お前さんも一服どうだい?」
ペン回しでもするみたいに煙管をくるくる。それにイラッ。
「いらないです。早く質問に答えてくださいよ」
「つれないねぇ」
「殺人未遂犯にどんな情けをかけろって言うんですか」
そんな俺のとげとげした言葉にも構わないで、ニヘラニヘラ笑いながら刻み煙草を指先でズリズリまとめ始める。
やがて出来上がった独特の臭いのする玉を
「お前さんさ。お金に困ってんだろ?」
――ドクン。
心臓が跳ねた。
「え? え、あ、いや……」
「ぶはっ。何隠してんだよぉ! え? 父さんにも言われたことないのにって? 証拠もろくに隠滅出来ないような野郎がよく言うねぇ」
「俺そんなこと言ってませんけど」
先程よりも不自然な上ずり方をしたのに気付いて、すぐに声を無理に発したことを後悔した。
怪しまれていないだろうか。声が震えてはいなかったろうか。先程からの早口も不自然ではなかったろうか。
寒くもないのに顎がガクガク震えて仕方ない。
この話題にはこれ以上触れて欲しくない。穴があったら入りたい。早く逃げたい、安らかに眠りたい。
俺は、俺は。
「言ってない。知らぬ存ぜぬ。お前さんの言う事だけ信じるんならぁ……まぁ、仰る通りではあるんだけどねぇ」
男の鷲の瞳がじろりと舐めるようにこちらを流し見る。
「だが……こんな調子じゃあ死んだ後もおちおち眠ってられないんじゃねーの?」
そう言って嗤いながら差し出してきたのは灰になり損なった一枚の紙片。
右の人差し指と中指に挟まれたその紙に書いてあった文字を見て瞬間的に事態を悟った。
――「督イ」――
「……!」
瞬間的に飛び掛かる!
「おぉーっと! 無かったことにするのは良くないぜ!? なんたってお前さん方ニンゲンにはナントカ保存の法則ってのがあるんだろ? お金だけ適応外なんてそうは問屋が卸さねぇ」
「……ッ、返せよ!」
「何でだよ。お前こそキッチリ返せよ、返すつもりで借りたんなら」
「お前には関係ないだろ!」
「あるさ! さっきも言ったろ? お前さんの死の気配に引き寄せられてきたってさ! ――さっさと清算するモンしてもらわなくっちゃ困るんだよ。未練たらたらのきったねぇ魂、俺ァごめんだよ? 死がイコール逃げになると思うな」
「グ!」
「ほら。さっさと金返してこいよ、借金苦のボンクラが」
「……!!」
「ほらほらどうしたぁ! 死にてぇんだろ? パチンカス!」
俺の「督イ」の字はくるくると弄ばれ、心にズカズカ土足で入り込まれ。もう最悪の気分だった。冷や汗が止まらないし、脳の中では変な物質ドバドバ出てどんどん頭がざわざわしだすし。どんなに奴に襲い掛かっても全然紙片は取り返せないし。
――返せる。返せます! 唯、元手が足りないってだけで、時期が来たらちゃんと払えるようになりますから! ――
そんな言葉ももう言えなくなった。辛うじて保っていた自分の中の大切な何かが日々壊れていく。毎日つけている「仮面」にもそろそろひびが入ってきた。日々生活が後手後手になっていく。日々余裕がなくなっていく。
人の目が、怖い。
だからこそ。だからこそ火とロープは今の自分にとっては即ち救いだったのだ!
だってほら。自由の女神も右手に火を持ち、高く掲げている。
それが――。
「元手が、元手だけが無いばっかりに? そう言いたいのかい?」
「なあ。天才ギャンブラー」
声だけで分かる。
あいつ、ニヤニヤしながらこの話してる。馬鹿にしてる空気ってのがある。そこら中を満たしてる。
美味しい煙と一緒に俺の顔に向かって言葉を吐きかけてる。
イライラした。すっごくイライラした。
馬鹿にしてる。俺を馬鹿にしてる。困ってる弱者を馬鹿にしてる。
許せない、許せなかった。
どんどん焦ってどんどん苛立って呼吸が激しくなってくる。
「まあまあ落ち着けよ。とはいえ気持ちは分かるんだぜ? 闇金に手ェ出しちゃったんだろ?」
「テメェ如きに俺の何が分かるんだよ」
「分かるさぁ! だってこういうのに巻き込まれた連中の魂、この世の未練の清算が全然出来ないらしくてなかなか取れないんだもの! 正直俺も迷惑してんのよね」
「え? 無理矢理奪うとか、そういうのはしないの?」
「やろうと思えば出来るけど……やるためにはそれなりの理由が必要だし、それもない場合は本人の了解が無ければならない。でなけりゃ規約違反だ」
「そーなんだぁ」
じゃあさっきのアレはマジで規約違反する三秒前、略してMK3だったというわけか。……何人に伝わるんだ? このネタ。
「だからこその! だからこその良い話なのよー! ほれ、ちょいと」
そうしてにっこり笑んだ男が俺にぽん、と何かを手渡した。
「ほれ」
「それで稼いで来いよっ、天才ギャンブラー」
「これでWin-Winだろ?」
突然血が体中を急流のように濁流のようにぐわあっと駆け巡る。
喜びと快楽物質とが脳に溢れかえり多幸感がドバーッと洪水のように押し寄せ、すぐに新台のことで頭がいっぱいになった。
それはまさしく元手となり得る百万。
なんと彼はギャングでもマフィアでもなく、あしながおじさんだったのか!
真っ暗闇の樹海が(俺目線で)突然スイスの山中のお花畑になりました。
彼がまた吹いた煙の筋が花々に潤いをもたらす清流に見えました。
「えぇっ!? い、いいい、良いんですか!?」
「ああもちろんさ! 元手がありゃあ稼げるんだろ? それで早く稼いでさっさと全部清算してきちまいなよ」
「あ、ああっ……!」
足がうずうずして堪らない。
あそこの店は景気よく出てくれる台が多い、あそこの店は最近調子が良くない、あそこの店に今度新台が大量入荷するらしい――
「――ま。そんな程度の解決方法でお前さんが満足するんならな」
耳がぴくりと動いた。
ごくごく自然にさらりと言われたその言葉をこの耳は聞き逃さなかった。
駆けだそうとした自分の体が、まるで足の裏だけ接着剤で固められたみたいにぴた、と止まった。その反動で上半身がくら、と揺れる。
「……どういう、こと?」
「だってお前さん、完全にアウトオブ眼中みたいだけどな」
堅い左掌に吸い終わってくゆる火の灯りだけが残る煙草の葉が取り出される。
「お前がそれで大勝ちして仮に借金返せたとして、その後に残る道は何になる」
「……何」
「死ぬだけだろ?」
「……!」
男は右手で器用に新しい葉を詰めつめ、左手には今にも消えそうな丸い葉の灯りだけがころり、ころりと転がる。
何となく、自分の頭の中に言葉が反芻される。
『そう、死神。あんまりにもお前さんが死にたい死にたいって言うもんだからさ、引き寄せられちゃった』
『あるさ! さっきも言ったろ? お前さんの死の気配に引き寄せられてきたってさ! ――さっさと清算するモンしてもらわなくっちゃ困るんだよ。未練たらたらのきったねぇ魂、俺ァごめんだよ? 死がイコール逃げになると思うな』
『ほらほらどうしたぁ! 死にてぇんだろ? パチンカス!』
……。
そうだ、コイツはギャングでもマフィアでもあしながおじさんでもない。
死神だ。
コイツは俺の魂の死の叫びに引き寄せられて、その消えそうな火を刃で刈り取りに来ただけ。
寿命が余ってるだなんだっていうのは多分、俺の魂が未練を清算出来ていないってだけのこと。
それが終われば俺は当初の望み通り言葉通り、楽になれるのだ。
唯、それが今も続く望みかどうかと問われれば――。
「何となくだけどさ、お前さん本当は死にたくないんだろ?」
「……」
「だって、思い切りが足りないし、死に対しての意識が薄すぎるし」
「……」
「だからお金貰った後直ぐに『この後の死』のこと忘れちゃったんでしょう?」
「……」
「カマかけてみたら案の定ってか? 本当、人間って単純だよなぁ」
「分かりやすすぎ」
「……」
ぎゅう、と拳を握りしめる。
楽にはなりたい。
でも死にたくもない。
「そんなの望み過ぎだろ」
う。
唇をかむ。
そんな真っ暗な気持ちに向かって死神は突然明るい口調でこんな事を言い出した。
「でもね! ひとつだけ、お前さんにもチャンスがあるんだよ!」
死神がにこりと笑って人差し指をぴん、と突き立てる。
何でかその瞬間月光がぽかっと頭上から降って来たみたいだった。
まるでスポットライトみたいだった。
「何だと思う?」
その笑みは悪魔の微笑か、天使のほほえみか。
* * *
「じゃーん」
「さーて。これだーれだ?」
空いている右手がひらひらと振ってみせたのは随分と立派な彼の手よりも大きい藁人形。
その顔の部分には随分と見た覚えのある「ある男」の顔写真が貼ってあった。
それは――。
思わず目を見開き、息をのむ。
体が無意識のうちにビクリと震えた。
拒絶反応が物凄い。
その反応に彼の目がすうと細められた。
「ちょっと考え直してみなよ」
「借金を返済するために稼ぐんじゃなくってさ」
「借金を返済する相手を消す、ってさ」
どっくん!
今度はもっと体の奥底から湧き上がるように、震えた。
死神のにやけた瞳、その横で弄ばれるかのようにふりふり振られる藁人形の貼り付けられた顔。
目から鱗って、こういう時に使うんだっけ。
『いつになったら払えるんだよ、アァ!?』
『それだけは本当に、本当に待ってください! お願いします、お願いします、お願いします!!』
『じゃかしいっ!! 何回目だ、このパチンカス!!』
『今幾らになってると思ってんだ』
『お前みたいな社会のゴミがいるから、日本社会は回らないのかもしれないねェ』
『お前の家事情について調べはついてんだよ』
『こうなったら実家に乗り込むしかないのかなぁ』
『丁度脂の乗った年頃の妹さんもいるらしいが?』
『それか明日、○×町の■■山に来てもらうしかないかなぁ』
『あ、それとも最近流行りの闇バイトでもして稼ぐしかないかな?』
『ね。アンタ、これが仕事場の人たちにバレたら厄介だねぇ?』
『ね』
『何とか言ったらどうなんだ、このタコ!!』
「そこからお前さんの記憶はない。茶色い綺麗な革靴の底がお前の鼻づらへし折ったからだ」
「……」
「元はといえば違法な利率でお前に金貸したアイツらのせいだろ? 全部さ」
「……」
「でなくちゃ俺がこんな大金をお前に貸す必要もなかったし、そもそもお前は幸せな生活を送れていた。こんなに生活がめちゃめちゃになることもなかった」
「……」
「な? そうだろ?」
その言葉に呼応するように首が持ち上がった。
寒くもないのに顎がガクガク震えている。
胸の底に滾る思い。ふつふつと煮えくり返るようなこの気持ち。
何もしていないのに息が上がる。抑え込もうとしても止まらないこの呼吸とこの気持ち、呪い。
「あのな。俺は死にたがりの他にも死すに相応しい奴の元にも行くんだよ」
「お前さんは正直言って、まだ死ぬには勿体ないよ」
「……だがその首回りに腕回す厄介な野郎はまだまだ多そうだ、お気の毒に」
死神の赤い唇をねばついた舌がれろりと舐める。
転がしていた今にも消えそうな火種を彼はそっと煙管の先に乗せた。
すうっと煙を深く吸えばゆっくりと火が燃えカスから新しい刻み煙草へと移されていく。
まるで、新しい人生に乗り移るみたいに。
命が再び拍動していく。
「な。ひとつ提案があるんだ、可愛らしい哀れな男よ」
「死神っていうのもある意味では『仕事』なのさ。魂の引き取りにはそれ相応の対価が発生する」
「ま、いわゆる運び屋だからな。俺達はその指示書に従って命を刈り取り、冥界へと運んでそのサイクルを回していく」
「今回お前の命も皆と同じように選ばれた。シナリオによって」
「だがな」
「その指示書には中年の男としか書かれていないんだよ」
「おやおや、今手に持ってる藁人形もそんな風体であることよ!」
「なぁ。どういうことか分かるかい」
男のニヤついた目が再びこちらを見た。
その手元、見るだけで胸がざわつく顔がふりふりと煽るように振られている。
「はあ、はあ」
呼吸が激しくなってくる、激しくなってくる。
「いつだったか、落語で見た。男はラストで自分の運命と他人の運命をひっくり返してその命を危機に追い込んでしまうんだよ」
はあ、はあ。
「その後の展開がその落語においては見ものとなるのだが――」
はあ、はあ、はあ。
「ここで俺はふと考える。もしも主人公がその入れ替えられた他者であったのなら」
んぐ。
頭にびりりと静電気でも奔ったみたいな感覚が
「――この仕事には勿論、対価が発生する。先程も言った通り」
「もしもコイツが何らかの形で死んだのであれば」
「そりゃぁーお前さんはこの男の所謂、情報提供者だ」
「百万なんかよりも莫大な対価をお前さんにも分けてやらねばなぁ」
「さあ、どうする?」
「ちっぽけな百万で最期のひとときを過ごす代わりに楽になるか」
「怨みを晴らす代わりにもうちょっと派手に生きてみるか」
じゃらりと金属の音が耳元に届いた。
「な。死神の仕事を手伝ってみないか?」
差し出された五寸釘と錆びた金槌を狂ったようにひったくると直ぐ傍にあった大木にガチン! と打ち付けた。
それは間違いなくアイツの顔、鼻づらを貫いていた。
「あの高い鼻の下伸ばして得意そうにニヤニヤ……うぜぇんだよ!!」
釘をつたってとろみのある濃い赫が垂れてくる。
「誰のおかげでアイツ、おまんま食えてると思ってんだ、俺らの金だろ、おめぇらのじゃねぇだろ!!」
ガンガン!
「この金、テメェらのために稼いでるわけじゃねぇんだよ! 何だよイチゴって! 返せるわけねぇだろこのバカ面めが!!」
ガンガン!
「散々家に来ては言いたい放題言ってくれやがって……さぞかし楽しかったろうなぁ!! ああ楽しかったろうなぁ!! 何も出来ない弱者をいたぶるのはよぉ!!」
ガンガン!
「おい、死ねよ」
「死ね死ね死ね!!」
「さっさと死ね!! 死ね死ね!!」
「地獄で泣いて詫びやがれこの野郎!!」
「ぜってぇ許してなんかやんねぇから!!」
「これまで被害に遭った人々の恨みつらみ、全部背負って泣きながら無間地獄でずっと暮らしていきやがれ!!」
「死ね!!」
* * *
ハッと気付いた時にはもうその男は血塗れになっていた。
その目の前、大木に磔にされた例の”憎い男”が”憎んだ男”の打ち付けた五寸釘によって穴ぼこだらけにされている。柔らかい肉の生白さと突き刺した無数の釘の黒と濃い赫と。その対比が何故だか本能的に恐ろしくて堪らない。
死因は間違いなく鼻づら貫いたその五寸釘。
やわらかい軟骨みたいなのがへし折れ、目ん玉ひん剥いている。確実に脳みそに到達しただろうに。
それを死神は満足気に眺めていた。
男も満足気に眺めていた。
あんなに自分をボッコボコにした野郎を自分がボッコボコに出来たことがこの上なく気持ちよかった。
気持ちよかったのだ! 人生で一番!
「ハハッ……ハハハハハ! どぉーだ、思い知ったかこのタコが!!」
「素晴らしいよ、お前さん! やっぱ誘って正解だったわ、お前素質あるよ、向いてるよ!」
高らかに拍手を打ち鳴らし、死神は男に近付いていく。
「いやぁ、見事見事! この素晴らしい狂った男は何者だ? 俺も名乗るからその名前聞かせてくれよ!」
まだまだ昂奮冷めやらぬ男の肩を豪快に抱き、死神は明るく笑いかけた。
「俺、
「……杉田。杉田和昭」
「すぎた、かずあき。なるほどねぇ」
「中学校の先生がこんなんだって知ったら子ども達、どんな顔するだろうね」
小さく呟いて斧繡鬼は煙草を深く深く喫んだ。
その味をあじわうように、貪り食らうように。
……。
これは俺が人助けをする物語。
人助けをしながら人生を変えてしまう物語。
―――――――
二つの短編集:『死神』より
第一章 狡猾の鬼 斧繡鬼
『借金苦の男』
―――――――
* * *
冷静になったのは翌日の朝のことだ。
「うわあああああああっ!!」
洗面台で自分の顔見て気がおかしくなりそうだった。
(つづく)
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