短編フィリピン一人旅

健さん

第1話

俺は今フィリピンマニラにいる。今回の旅でちょうど10回目だ。日本で、フィリピンパブで知り合った彼女は、パサイ市というところに住んでいるのだが、今回は、黙って一人で来た。今回のホテルは、いつものホテルではなく、”三ツ星”ホテルのマニラプリンスホテルだ。昨日の昼着いた。昨日の昼、夜、そして今日の朝は、フィリピン料理だ。すべてこのホテルのレストランで。昼は、日本食が、恋しくなり俺は、街に出た。しばらく散策していると、エルミタ通りのロビンソンデパートに出た。よく見ると、ちょうど斜め横に、あるではないか。オレンジの看板で”吉野家牛丼”。日本人がやっているのかな?。店のなかに入りメニューを見ると、(ミソ汁セット)、(ヤサイサラダセット)がある。更によく見てみると、チョコレート?バニラアイスクリーム?が、セットになってるではないか!。ファミレスか?やはりフィリピンだぜ!。中をよく見ると、どうやら、従業員は、皆フィリピン人のようだ。すると、ウエイターが来て、「チュウモンハ、ナンデスカ?」「牛丼ワンプリーズ。」「OK!ギュウドンワンボールデスネ。」「ワンボール?」すると、ウエイターは、メニューの写真を指差した。なんだ、どんぶりのことかいな。しばらくして、牛丼が運ばれて来た。どれどれ。ん~。肉の味は日本で食べるそのものの味だが、、、。問題は米だ。フィリピン米だから、パサパサだ。なんか、気の抜けた味だ。やはり、日本食は、日本で食べるのに限る。そして、ホテルに戻った。さて、”夜”になるのを待つか。っていうか、一人でフィリピンに来たのは、女遊びが目的の一つなのだ。彼女がいたら、できないもん。だから、今回は、彼女には内緒。ホテルのレストランで、現地の”サンミゲール”ビールを飲んでいると、ボーイが、話しかけてきた。その男の名は、フレデイ。「クウヤ(お兄さん)仕事21時で終わるから、そのあと、一緒に”ソクソク”しないか?」「ソクソク?って何?ホワット??」フレデイは、親指を人差し指と中指に入れるしぐさをして、「女と、”やる”ことさ。」と、言った。「おー!いいね。夜になったら、遊ぶつもりでいたんだよ。」「じゃあ、決まりだな。その前に、精力つけておいたほうがいいよ。18時ごろにホテルの前に”バロット”売りにくるから。」バロットとは、孵化する前のアヒルの卵をゆで卵にしたものである。前に来たとき、彼女が、うまそうに食べていたっけ。俺は、10回近く来ているが、一度も食したことはない。あんな、グロテスクなの食べれるか!しかも、どいつもこいつも、平気の平左で、食べているのだ。しかし、物は試しだ。今回は、清水の舞台から飛び降りるつもりで、挑戦してみた。18時になり、ホテルの前にいると、来た来た。”バロ~ト”の掛け声で、売りに来た。早速買って部屋に戻り、卵の殻を開けた。うひょー!アヒルの赤ちゃんだ!オエ~!よ~し!と、目をつぶってかじりついた。味?聞かないで。なんとか、全部食べ切り、ミネラルウォーターを、死ぬほど飲んだ。う~!気持ち悪。30分くらい経っただろうか。グルグル。と腹が。オーマイガー!腸がねじれる~!!俺は、トイレに駆け込んだ。しかも吐き気も。そのあと、脂汗が。日本から持ってきた正露丸を10粒くらい飲んだ。んんん、効かない。(ヤバイ俺死んじゃうかも。)ベットに横になると、また、トイレへとの繰り返し。(もうイヤ!)ベットで唸っていると、フレデイが、来た。「クウヤどうした?具合でも悪いのかい?」「どうしたもこうしたもないよ、バロット食べたら下痢が、ひどくて。」すると、「サンダリ ラン(ちょっと待って)」と、フレデイは、部屋を出て行った。しばらくしてから、フレデイは、薬を持って来てくれた。「この薬飲みなよ。」「サラマット(ありがとう!)」俺は、すぐさま飲んだ。すると、10分くらいして、症状がやわらいできた。おー!正露丸では、効かなかったのに、、。薬も、”郷に入っては郷に従え”てっか。「フレデイごめんな。今日は、無理だから、ブーカス(明日)行こう。薬ありがとう。」「OK!オダイジニ。」フレデイは、帰った。次の日。夜9時過ぎにフレデイが来た。「クウヤ具合は、どうだい?」「絶好調だよ!」そして、2人でエルミタ通りにある女の子を連れだせるバーに行った。早速、俺たちは、サンミゲールビールを頼んで、飲んだ。周りを見ると、女の子は、全部で、10人位いる。やがて、デヴィ夫人に似たママさんが来て言った。「お客さんどのタイプがいいですか?」「連れ出せるのね。マグカノ(いくら)?」「2000ペソ(約5000円)ね。」フレデイは、可愛い娘いないな~といいながら、松本明子に似た娘を指名した。俺は、松嶋菜々子に似た娘を指名して、それぞれ、ラブホテルへ、お持ち帰りした。よかったよ~!満足!。翌日昼すぎ、ホテルのレストランへ。フレデイが、何やら冴えない顔してる。「おー!フレデイ!昨日の女よかったかい?。」すると、泣きそうな顔して言った。「昨日の女”バックラ”だったよ。」「バックラ??」「オカマちゃんだよ!」俺は、バロットで、腹を壊した以上にそれこそ、腸がねじれる程笑った。そして、フィリピンから帰国して、1週間近くなるが、どうも、小用(小便)すると、痛いのだ。”あそこ”に針を刺される感じ。よく見ると、俺の”息子”に何やら小さいキノコ?みたいのが、生えているではないか!!。うわ~!気持ち悪い!俺は、早速近所の泌尿器科に受診した。すると、ケーシー高峰(古い)に似た先生が、言った。「最近性交渉しましたか?」「はい。フィリピーナと。」ケーシー高峰は、薄ら笑いしながら、「クラミジアです。」「クラミジア?」「性行為による性感染、性病です。」(そういえば、酔っぱらっていたから、ゴムしなかったな。トホホ。これじゃあ、フレデイのこと笑えないな。)薬服用して、1週間ほどでようやく治ったが、あらたに、”別の病気”が騒いできたのだ。また、フィリピンに行きたくなる”病気”だ。居ても立っても居られなくなるのだ。この、”フィリピン病”は、当分、いや、一生治らないだろう。

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