冒険者ギルド破り
「たのもーーー!!」
私の一言で楽しく談笑していた全ての人が凍りつき、無言で私のほうを見てきた。
そんなに見られると私ってば照れるじゃん!!
なんて冗談は置いといて、皆無言で私を見てくるのには本当に理由が分からない。皆なんで私のことを凝視するの?
「おいおい!なんだぁ?うるせぇぞ?」
奥から強面の巨大な剣を持ったおじさん?が歩いて近づいて来る。
「あ、ギルマス!!この女が!」
「どうした?嬢ちゃんがなにやらかしたんだ?」
「それが大声で「たのもーーー!!」って」
あれ?なんか大事になりそうな予感?
「ほう。ギルド破りか。いいぜ、受けてやるよ!」
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クエスト【冒険者ギルド破り】
訓練場で冒険者ギルドのマスターと戦い、能力を認められる。
報酬:冒険者ギルドの利用の許可、2000ゴールド
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何故かクエストが開始されたんですけど…。ってギルドマスターとの戦い!?
この強そうなおじさんと?絶対に勝てるわけないじゃん!
「それじゃあ、訓練場に移動するか」
野次馬らしき人たちがぞろぞろとついて来る。私ってさっきスライム倒したばかりなんですよ?勝てる訳がないじゃないですか。
「おい!どうした?さっさと行くぞ!」
ギルマスは私を引っ張って訓練場へと歩みを進めていく。嫌だぁぁ。こんな醜態を晒したくないよぉぉー。嫌だよぉぉ。誰かぁぁ。
そんなことを考えている間に私は訓練場でギルマスと対面していた。あ、れ?いつの間に!?さてはギルマスは瞬間移動ができるのかっ!?((注)できません。瞬間移動ができるゲームではありません。)
ギルマス!なかなかやるなっ!!(小並感)
「ほら剣を構えろ!」
ギルマスは木剣ではなく、真剣を使っている。やだなぁ、もう、殺意満々過ぎじゃないですか。
「ギルマスさん。あのー、木剣を使ってくれませんか?」
私はギルマスに懇願する。このゲームには『急所』というものがある。効果は一定の極低確率でダメージが50%増えるというもの。私のラックでは真剣なら『急所』の一発で片が付いてしまう。
「私だけ木剣っていうのはちょいと不利過ぎると思いますけど」
ギルマスは目を丸くする。ちょっとだけ考え込んでいる。
「いいぜ!嬢ちゃんの言う通り木剣を使ってやる」
ギルマスはそういうと、鉄の大剣を捨て訓練場に立てかけてあった木剣を手に取る。
「嬢ちゃん!剣を構えろっ!!」
「はいぃぃっ!!」
ひえっ!?ギルマスさんおっかないっす!本気になりすぎじゃないですかね。
「おい!誰か審判やれや!」
「わかりました!」
私が止める暇もなく試合の準備が着々と進んでいく。
「ではギルマス対挑戦者の試合を始めます。両者構えて!」
いや、ギルマスがちじゃん。深呼吸してるし。構えが猛者過ぎるんだけど。私も構えをとる。
審判の人が腕を振り下ろす。始まりの合図だと思う。始まった途端ギルマスは突っ込んではこない。様子見しているんだと思う。
「ほう。始めて見る構えだな!」
いや、剣初心者ですから。構えすらわかりませんから。
「こねぇならこっちから行くぞッ!」
ギルマスは私に向かってかけて来る。一瞬で姿が見えなくなる。私は怖くなって身を縮こまらせた。瞬間。
私が持っていた木剣に衝撃が加わった。私は衝撃に耐え切れず吹っ飛んでしまう。
「俺の一撃を止めるかっ!だがいなすのは難しかったようだな」
あれ?ギルマスさん?なにか勘違いしてらっしゃいません?たまたま剣に当たっただけですよ?
「なっ!!?」
「まさかっ!」
「おいおい!あいつギルマスの一撃を止めやがったぞっ!」
「あいつもしかして俺らよりもつえーんじゃねぇか!?」
野次馬たちが歓声を湧かせる。なんでぇ?君たちも勘違いしているんじゃないですか?もう一度言うけどたまたまですよ?
「戦闘不能!ギルマスの勝利っ!」
「まだまだだが、認めてやるよっ!」
私はギルマスに認められたことを疑問に思いながら意識を失った。
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クエスト【冒険者ギルド破り】
訓練場で冒険者ギルドのマスターと戦い、能力を認められる。
報酬:冒険者ギルドの利用の許可、2000ゴールド
――受け取り済み
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【ステータス】
名称:ユナ
種族:人族
職業:鍛治士
Level:2
HP:200/200
MP:200/200
STR:2
VIT:1
AGI:1
DEX:17
INT:1
MND:1
LUK:2(-666%)
スキル:『悪魔の数字Level2』『付加Level1』『筋力上昇(少)』『鍛治Level1』
SP:3 BP:1
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最強の生産職~【悲報】私だけのユニークスキル?あんなのゴミじゃん!!~(仮) @cha0so7
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