《短歌連作》シチュー

だらく@らくだ

初めての一人シチューを作った夜

そっぽ向く歯ブラシの毛先


とりあえず鍋をリビングに寝かせ

彼のビジネス的関係を話す


「親知らず傷んだって知らないから」

キミはいつも同じ脅し文句


友達から送られしひと皿の写真

私に欠けた優しさの匂い


明日も明後日もシチュー生活

失敗よりも実はつらい くるしい


幼子の頃に震えし絵本のせいで

茶と水しか飲めず寝る前は


大人って嫌だね君みたいに

笑顔で菓子食べられない日もあるし


ミの音が半音ズレただけでみんな

拗ねるから料理って嫌い

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