第19話 服
「次の仕事……どうしようかなぁ……」
「別にボーっとしてていいですよ。金ならいくらでもあります」
一生
「んー……」困ったときの、んー。「お金の問題じゃなくてね……気持ち的な問題」
「……?」
「まぁ、もうしばらくしたら話すよ」今は教えてくれないらしい。「今のところは、キミに甘えさせてもらうよ」
「わかりました」
今のところなんて言わずに、一生でも良いのだけれど。というか、一生甘えてほしいのだけれど。
「では、今日はどうしましょうか」
「そうだね……特にやることもないけど……じゃあ、ちょっと運動に付き合っておくれ」
「運動ですか……なにをやりますか?」
「……そうだね、テ……」途中で言葉を止めて、「やっぱりランニングで」
……テ……
テニス、だろうか。あるいはテーブルテニス? テコンドー?
なんにせよ、
「……高級品を用意するなというのなら、従いますよ」
「え、そうなの……?」
「高ければ良いというものではないですから。今までは
「とりあえずで用意するものかなぁ……」
相手が
だけれど、本当は
「じゃあ、えーっとね……予定変更」
「なんでしょう」
「ショッピングに行こう」というわけで、ショッピングへ。「えーっと……ここはどこ……?」
移動した場所で、
「日本最大のドーム球場です」
「なぜ球場……?」
「世界中から取り寄せました」
「うん……うん……ありがとう……でも、ちょっと、違うかも……」
違うらしい。何が違うのかわからないが、
「では、すべて撤収で――」
「ごめん、そういうわけじゃなくて……」
そう言ってもらえるとありがたい。せっかく用意したし……ムダになるところだった。
「さて……じゃあ……」
「え……」お昼のテレビ番組みたいな提案だった。「僕が
「そうだよ。テニスをするときに着る服。そこまで本格的じゃなくて……軽い運動全般に使えそうなやつ」
ということは……
「僕もテニスをするんですね」
「え……ダメ?」
「いえ……」テニス選手を呼んでくるつもりだったのに……どうやら
「ありがとう」その笑顔には弱い。「じゃあ……服、選ぼうか」
というわけで、ショッピングスタートである。
……
……凄いプレッシャー……
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