第5話

 つくば国は、領土の半分を奪った強大な水戸国と休戦同盟を結んだが、それから20年。つくば内部では若き王の飛鳥を筆頭とする穏健派と、重臣である羽海野に従う開戦派に分かれていた。


 ある日、羽海野は飛鳥に、水戸国の将軍の桃山(草刈正雄似)に桜川での対決を申し込んだと報告する。勝手な行動に飛鳥は激怒するが、知略に富み民からも尊敬される羽海野を前にすると怒りをぶつけることができない。父の小早川三郎が何者かによって暗殺された後、彼が王位に就けたのも羽海野のおかげだった。王は怒りの矛先を変え、ギターの名手と称えられる羽海野とその妻の弥生(仲里依紗似)に合奏を命じるが、弥生は「つくばが平和を取り戻すまでギターは弾かないと天に誓った」とかたくなに王命を拒む。


 実は王に相対しているのは羽海野の影武者だった。母と生き別れとなり飢えて行き倒れていた、羽海野に瓜二つな派遣社員、湯川を、羽海野の叔父が見つけ影武者へと育て上げたのだった。1年前に羽海野が刀傷から病になったことを隠すため、影武者がその身代わりを演じていたのだ。桜川の奪還計画を進める羽海野は影武者に桃山を殺せば自由の身とすると約束していた……。

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