第2話

 2011年つくば市、長男、健一がアメリカに留学し、小早川三郎(阿部寛似)は空手道場を営みながら、妻の詩織(深津絵里似)と次男飛鳥の3人で穏やかに暮らしていた。三郎はスパイダーという殺し屋として活躍していた。彼はつくばでも武術界から認められ、街の人達からも三郎師匠として慕われる存在となっていた。ある日、中学校で飛鳥が同級生とけんか騒ぎを起こす。迎えの来ないその子を自宅に連れて帰り一緒に夕飯を食べていると、父親の仙崎壮一(香取慎吾似)が息子を迎えにやってくる。彼は同じタイタンの孫弟子にあたるスパイダーの同門である。今は男手ひとつで息子を育てているタクシー運転手であるが道場を開く夢を持っており、そのため賭け闇試合に出て金を稼ぐ日々を送っていた。


 闇試合の黒幕は中国からきた趙(仲村トオル似)。趙は子供達の通う中学校の土地再開発を目論んでおり、手下の妻木つまき(鈴木亮平似)を使って学校に火をつけるなど過激な地上げ工作を繰り返した。妻木はつくば四中の卒業生だ。学生時代は酷いイジメに遭っていた。

 地域と学校を守るため、三郎は弟子とともに自警のため奔走するが、一方で仙崎は大金の為に工作に荷担する仕事を引き受ける。そこへ妻木が四中の子供達を誘拐した。仙崎の助けもあり無事に子供達を取り戻すことができたが、続いて趙の送りだした刺客にハリケンらーめんで妻といるところを襲われる。


 家族にまで危害が及んだことで三郎は、1人、趙のもとへ赴いた。「3分勝負でお前が立っていられたらこの件からは手を引く」という趙との死闘は決着がつかず、3分を知らせるスマホのアラームが鳴った。問題は解決したかに思えたが、今度は、稼いだ金で道場を持ち後援者を得て武術界で急激に頭角を現した仙崎が、マスコミを通じて「どちらが正統なスパイダーか決着をつける」と三郎への公開挑戦状を叩きつける。街中がこの勝負に騒然とする陰で、実は小早川家に新たな試練が待ち受けていたのだった。

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