裏11節 執行 (カクヨム限定バッドエンドルート)

 羽宮ルナの思い蹴撃を受け止めた僕は、光る変異した右手に力を込めて、彼女を殴りつけた。—— 憎むべき敵として。

 「…… やはり、貴方は人ではない。悪魔ですね。被害が出る前に速攻で、片付けます」

 ややダメージを受けた、ルナは取り出した傘に左手をかざすと、青い光を帯びた。そして、それを瞬く間に振り抜いた。

「ぐっあぁ…ああ……………… み、右手が」

(—— リョウ、大丈夫か。すぐに治すからな)

 振り抜かれた傘はリョウの右腕を、体から分離させた。あたり一面が、赤く染まり水溜まりを作っている。

 ——やはり、こいつは悪魔だ。右腕を切り落としても、悶えているだけ。普通の人間であれば、痛みに耐えかね意識を失うはず。それに、再生しつつある。無いはずの箇所に、先程とおなじ光が集まりつつある。この悪魔相手に持久戦はまずい。おそらく目当ての、上級だ。—— ならば。

 ルナは素早く、傘の先端をリョウに向けると、彼を貫いた。ちょうど心臓がある胸の辺りを。

 —— リョウは絶命した。如何に再生能力があっても、耐えられぬ攻撃がある。

『き、貴様のせいで……. この世界は、崩壊するのだ……………… 』


 任務を終えた、ルナは上級悪魔の亡骸に背を向けると帰還した。その後に世界は混沌を迎え、やがて崩壊することを知らずに…… 。



      BAD-END


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