第5話 ダンジョン脱出作戦会議
「ところで…さっきの「ばんくえっとあーつ」って何?
聞いたこともないスキルなんだけど…」
「え、えっと、あれは私のユニークスキルで…」
うぐ…私、聞かれたくない事だらけじゃない…?
「ユニークスキル『宴会芸』…タイプ『裸踊り』
簡単に言うと、裸で踊って注目を集めるスキル、です…」
本当に、なんで私にこんな才能が…
「ふぇぇぇ…そ、それであんな…胸をぷるぷるさせて…」
顔を赤くしながら、手のジェスチャーで、胸の動きを再現するテラスちゃん
「や、やめ…その手つきやめてー!」
「大丈夫だよ!とってもきれいでかっこよくてえっちだったよ!自信もっていいよ!」
「だ、だから、それが恥ずかしいんですってば!
できるなら使いたくないんですー!」
私の反応が面白かったのか
テラスちゃんはいたずらっ子のような笑みを浮かべて、こう切り出してきた
「けど実際、またモンスターに出くわしたら…」
「う…」
「即席のコンボだけど、お姉ちゃんの『宴会芸』とあたしの『火矛』で
戦うしか無いんじゃない?」
「そ、そうなんですけど…!」
わかるけど…なんか目つきがいやらしくなった気がする…!
「わかりました…覚悟を決めます…!」
私は彼女の目の前で、上着とスカートを脱いで、下着姿になる
「え…?何で脱いで…?!
だ、だめだよ、こんなとこでえっちなんて…!」
「違いますー!
このスキルは、裸に近いほど効果が上がるんです…!」
「そ、そうなんだ…」
「そうなんです」
今日は運動用の下着だから、見られても平気…平気…!
「あれ?じゃあ、まっぱだかが最大効率…?」
「さ、さすがにこれ以上は…!
これ以上脱いでも、効果は0.1秒くらいしか変わらないです…!」
これは、おかあさんに付き合ってもらって、脱ぎながら効果時間を計測した数字
…対象が男の人だったら、効果時間増えるかもしれないけど、それを試す勇気はない…
「そこは、脱ぐ以外の何かで頑張る形で…!」
「そ、そうだね…」
そういいつつ、テラスちゃんの目線が、私の胸から外れない…
実は結構えっちな子なんじゃ…?
「え、えっと…じゃあ、モンスターはコンボでどうにかするとして…」
「後は、どうやって地上に戻るか…ですね」
ちらっと左右の通路を覗いてみる
さっき見た通り、一定間隔で光る岩があるのだが
光量が控えめで、遠くの方までは見えなかった
「危険だけど、恐る恐る探索するしかない…よね」
「うーん…このクッションがすごいジャンプ台みたいになって
上にスーパージャンプできたらいいんですけど…」
私はそんな事を言いつつ、クッションをポンポンと叩いた
いくら古代の遺産とはいえ、そんな事は無理だろうけど…
「え…ちょっと待って
ひょっとして、この上から落とされたの?」
あ、そういや、そこの説明はまだしてなかった
「はい…入り口のトラップ穴から落とされたんですけど
このクッションがあったんで、助かったんですよね」
「ああ、あの入り口にあったやつ…」
「だから、あれは緊急時の深層への入り口だったのかもですね」
私がそこまで喋ったところで、むむむ…と考え出したテラスちゃん
何か気になるところあった…?
「それじゃあ、緊急時の出口も…近くにあるかも…?」
「…あ」
「入るところと出るところは、一緒にした方が何かと楽だし
可能性はそこそこあるんじゃない?」
「……そ、そうですね!」
もちろん違う場合もあるけど、このクッションの近くを探索すればいいという
指針が出ただけ、闇雲に歩き回るよりはかなりマシ…!
「ちょっとだけ、希望出てきたんじゃない?」
「はい!」
そうして…
天才魔法使いの少女と、凡人宴会芸使いの私の
ダンジョン脱出が始まったのだった
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