永年、手帳難民
手帳難民。手帳ジプシー。
こんな方は多いのではないだろうか?
自分に合った手帳を求めて様々な手帳を徘徊する人たち。かくいう私もその一人だ。私は今は半分くらいは、理想の手帳など存在しないと自分に言い聞かせて手帳の多頭飼いをしている。システム手帳だけで5冊。走り書き用で3冊。個人情報の管理用で2冊。
これでもかなり減らした方なのに、一月始まりと四月始まりと九月始まりの手帳が発売される季節になると気が気でなくなってしまい、大手文房具店から百円均一まで徘徊し、更に、三月にどこの文房具屋さんでも始める、一月始まりの手帳のワゴンセールも一通り漁る。
これはもう病気なのだ。様々なフォーマットの手帳が目の前に並んでいるだけで多幸感が溢れるのだ。しかも実用という意味では特定の手帳を携えているのに、だ。
特定の手帳は定番の週間レフト。大きさも一番人気が有ると言われている『手帳型』。私の場合、手帳を徘徊するのはツァイガルニック効果が働くので、余白が小癪で仕方がない。意地でも空白を埋めなければ落ち着かない。それもデコレーションやイラストではなくて、TODOやタスクでいかにも「今日も忙しかった! 明日も明後日も忙しいぞ!」と精神的に自分を追い込んでしまう悪い癖を、悪い癖だと認知していないので、一層悪いスパイラルに陥る。
何も自己啓発やスピリチュアルを主題にした手帳の使い方を目指しているのではない。唯の、タスク管理だ。メモの走り書きだ。なのに、月間はブロックではなくリストでなければ嫌だとか、週間は週間レフトが正義! とか、便覧は充実していないとダメだ! などと喚く。
……これでは1万年経過しても理想の手帳には巡り合えない。
で、今年こそは! 今年こそは、浮気をしない! と意気込んでいる次第です。
自分に合ったフォーマットを探す旅が楽しい自分が居る。中々、自分に合ったフォーマットが見つからないと嘆く自分が居る。これも充実した生活の裏返しなのだと考え始めたのがつい最近。それからは、前述のように、理想の手帳など存在しないと言い聞かせて、そろそろ腰を落ち着けるために有意義な手帳会議を開きたいと思っている。
……分かっている。分かっている! 浮気性の私の事だ。どうせ口だけに終わる。
手帳とメモ帳の違いが分かったのがそもそもの悲劇だったのかもしれない。
手帳は時間を管理・記録。
メモ帳は備忘。
非常持ち出し袋にもA6ノートを数冊放り込んでいるが、これについてはまたの機会に話をしよう。
兎も角、手帳難民の皆様、理想に出会えない苦悩を楽しんでいないか?
私は手帳難民という趣味だと認識して苦しむのを楽しむことにしている。
あー。そういえば寝る前に手帳に一行だけ書く一言日記、まだ書いていないな……。
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