105 鳳凰暦2020年5月4日 月曜日夕刻 桃喰町の鈴木家付近
今日の午後は私――平坂桃花の方から外村を誘ってDJバーガーでたくさん愚痴を言い、それからまた、家の近くの桃喰町でゆっくりと散歩をしました。ウォーキングはいい気分転換ですから。
そうするとまた、彼とあの子を見ました。それも彼の家に入るところを。
ただし、昨日は一瞬だったので見落としていたのでしょう。彼とあの子の間には、義妹の奈津美さんがいました。奈津美さんがとても楽しそうにしていたのはどこか悔しかったのですけれど、彼をあの子が独り占めで観察していた訳ではないと知り、かなり気持ちは穏やかになりました。
ただ、どうやら、あの子の外泊許可については、彼の家でのお泊りで間違いないようです……私、小学校が同じだったのですけれど、彼の家には入ったことがありません……彼の家は、見学はいつ、可能になるのでしょうか……早く私にも門戸を開いてほしいです。
やはり、バレー提督のように漆黒船で訪問するしかないのでしょうか……。
そこからも心を落ち着けるためのウォーキングを継続しておりましたら、また彼が出てきました。あの子も一緒で、学校の方へと歩いて行きます。
優しい彼のことです。寮まで送り届けるのでしょう。これは仕方がありません。紳士の義務です。あくまでも義務的なものです。
ただ、身長差のせいか、彼を見上げるように見つめるあの子の目は、私と同じような観察眼になっているような気がしました。私の方があの子よりも年季が入っておりますけれど……。
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