第1111話 ご無沙汰な後輩君

「せんせー!ご無沙汰してますー!お元気でしたか?」


俺は声がした方向を見る。

グレーの長髪の男性が手を振っている。

……あれ?どっかで見たな。

……俺を先生と呼ぶ男?

……待てよ。


「……あ!漫研の!確か名前は……」

「良町(ややまち)です!文化祭以来ですね!お元気そうでなによりです!」


良町君がウインクする。

わぁ、陽キャやねー。

良町君は俺の母校崩城大学の漫研の部長さん。

俺が在学中漫研の年間スケジュールや、学園祭の模擬店の準備などをまとめたノートを見つけて読んでいる子。

このノートがきっかけで俺の配信も知ったらしく、敬意を込めて『せんせー』と呼んでいるそうな。

10近くも離れているから先生と生徒って関係はあってるよねー。

いやー、年齢を感じる瞬間やねー……


「あれ?良町君もコミケ?……もしやサークル参加だったりー?」

「お、せんせー分かってますねー。正解です!今年は崩城大学漫画研究部でサークル参加なんすよー」

「へ?!マジ!?ウチ、コミケ参加出来るようになったん?!嘘やろ!?」

「……ガチトーンで驚くじゃないですか……そこまでですか?」


そりゃ、現役時代幽霊部員が大半でサークル展示用の作品を集めるにも苦労してたからね。

漫画も書いてたけど締切悪くて悪くて……

俺はちゃんと出してましたよ、ええ。

エクスから『呪印』だの『儀式魔法』だの言われましたがれっきとしたファンタジー漫画を書いてましたとも。

それが今じゃコミケと!

いやーOBとしては感激ものですよ。


「いやー、ヴィマーナのパルバディさんが色々協力してくれて。ほんと毎日が勉強でした!なんなら漫研から商業誌デビューが決まりました!在学中のデビューは大学初らしいっす」

「マジ?!そういえば魔道芸術学部に漫画コースがあったねー。あれよりも先に作家デビューかー……パルバディさん、ガチやな」

「これもヴィマーナさんのお陰です。ありがたやーありがたやー」


パルバディさん、マジでやってんねー……

自分の趣味を謳歌してるなー……


「そういえば、良町君。俺の奥さん来てない?」

「奥さん?あぁ、文化祭で一緒にいた。あの方はついさっき来られましたね。ウチの漫画全部買っていかれてホクホク顔でした。新刊についてご存知だったみたいで」

「……そうかー。ホクホク顔かー……ってついさっきなの?」

「ですね。俺が休憩に入る前なので10分……15分ぐらい前ですかね?」


なるほど!ならまだ東館にいるな。

もう少し探してみますか!







―――――――――

閲覧ありがとうございます!


㊗️1111話!!!


懐かしいキャラも出しつつコミケ編中盤です!


さぁ、フラグ回収忘れないようにしないと……


星、ハート、コメントよろしくお願いします!

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