第1085話 3人?で迷宮へ

「ふぃーついたー。ここはどこも一緒なんだなー」

「うむ。ポータルがある場所はどこも迷宮になっているな」

「気にしたら負け、と言うやつじゃ。うちの里も同じようなもんじゃ」


トミーの実家ってギリシャだよねー。

あそこはミノタウロスの原種がいるらしいから1回は行ってみたい。

てことで、今いるのは深層ボス部屋前の迷宮です。

熊本の時と一緒ですな。

違いとすれば迷宮の壁の高さ。

白川ダンジョンの壁は壁走すればギリギリ登れるぐらいの高さだけどここの壁はトミーの数倍の大きさがある。


「……これ、ショトカとか出来るの?」

「んー、壁を動かせないことは無いが流石にワシでも一苦労じゃて。腰が割れてしまう」

「カッカッカッ。ショートカットするのは勿体なかろう。迷宮探索、心躍るな」

「それはそうなんですけどねー。今回はトミーの家に用事があるので」


トミーの家からお鍋を借りてセーフゾーンにキッチンを作らねば。

年末の仕込みをしないといけないからねー。


「なに、場所ならすぐだ。今回は人の出入りが多そうだつたからな。近場に家建てた。ほれ」


トミーが指さす方向を見るとちょっとだけ煙が見える。

……近いのかなー。

迷宮は超えないと行けないじゃん。

ま、色々ボヤいても仕方ない。

サッと小屋まで行きますかー。


ガブッ!


「あ、ちなみに迷宮の中はオルトロスの群れが目いっぱいおるから。あーさん気をつけろよ」

「……教えるのが遅い」

「カッカッカッ!これまた綺麗に噛まれたな!」


……ちくせう。

俺の腕に思いっきり頭がふたつの黒い犬が噛み付いている。

しれっと炎を出して焼こうとするなよ!

火耐性あるから効かないからいいものの……


「ふん!……よし、討伐っと。オルトロスって毒あるっけ?解毒薬飲んだ方がいい?」

「んにゃ、あれは普通のオルトロスだ。炎を吐く程度だから気にせんでええぞ」

「オルトロス、この世界だとそこそこ強いと聞いていたが振り回すだけで首を引きちぎるとは。流石人類最強だな!」


……いや、スキルがあるだけですって。

あとまだ強い人いるし。


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