第1086話 トミーの小屋

「おー。ついたついた。あーさん、お疲れ様」

「……疲れた」


迷宮に入って30分。

オルトロス、100超えたあたりから数えるの辞めたけどとんでもない数がいた。

……牙だけで何本取れたんだよ。

全部回収してたトミーもバケモンだけど。

てか、回収しかしてなかったなアイツ……


それはともかく、目の前には小屋がある。

見た目はキャンプ場とかにある大きめの木製ロッジ。

奥に石の建物が併設されている。

奥が鍛冶場、手前が居住スペースだったはず。

熊本にある小屋よりちょっと大きめですね。


「さ、入った入った。まずはお茶でも飲もう。臨時バイトもいるしな」

「ふぃーお茶助かるー……ん?今なんて言った?」

「ばいと?あぁ!売り子か!」


伯爵がぽんと手を叩く。

多分違いますね……


「臨時バイトもいるしな、ってなんだよ?!え?トミーにバイト雇える金あるの?!」

「……突っ込むところそこか。ワシだって金はあるぞ?地上で酒買わないといかんし」

「……お前、人間に擬態するの苦手って言ってたじゃん」

「時と場合じゃい。日本だとどうしても身体がでかくなりすぎてなー。ギリシャやフランスだと外に出るぞ?」

「うむ。巨人族が人間の姿に化けるとどうしても目立ってしまう。日本だとより顕著だな。この前フランス出会った時はそこまで大きくなかった気がするが?」

「……あれは息子が買った魔法具を使ったんだ。最近取引しているはぐれ妖精が売りに来たらしい。ったく、人を実験台に使いやがって」


……草。

てか、はぐれ妖精と取引してるんだねキュクロープス。

流石昔から鍛冶師やってる種族は違うねー。

とりあえず家に入ってバイトの人に挨拶しましょう。


「お邪魔しまーす……」

「うむ、邪魔するぞ」

「おーい、帰ったぞ。お茶だしてくれー」

「はーい!師匠、お疲れ様です!ちょっとまっててくださ……って田島さん!」

「……うぇ?!ゴングさん?!」


そこにいたのはよくコラボしている探索者グループクリーチャーズのメンバー。

ゴングさんの姿がありました。

……いや、なんでいるの?!

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