第1084話 久しぶり!

「誰じゃあ!!!こんなところで水責めしとるやつは!下まで水が垂れてきとるわい!!!」


タイラント・ダンジョンワームを解体していると不意に怒鳴り声が。

振り向くと巨大な影が。


「お、トミー!こっちこっちー」

「ん?おぉ!あーさんか。予想通りじゃったか」

「……誰じゃあ!!!って叫んでたやんけ。分かってなかったやん」


そこに居たのは1つ目の巨人キュクロープスのトミー。

俺の友人にして世界中に魔剣を振りまいているおっさんです。

今回、色々手伝ってもらうことになってたりする。

待ち合わせはこの下、深層のポータルがある場所だったけどまだ先だよな?


「あれ?このダンジョンの安全地帯ってまだ下だよな?何でいるの?」

「そりゃ鉱石を掘るためじゃろ。アダマンタイトにオリハルコン……ヒヒイロカネは少ないがそこそこ取れたぞ。あと白金とかの鉱脈もあったな」

「カッカッカッ、精が出るなトミー殿!御歳何歳になった?」

「ん?おぉ!閣下じゃないか。フランスでワイン祭りで飲み明かした以来だな!久しぶりだ!」

「うむ、こっちの時間軸で言うと1ヶ月ぶりだがな!カッカッカッ」


……1か月前っていうと、ボジョレーヌーボーの解禁日か。

ランファの知り合いってことで薄々感じてたけど伯爵、やっぱりトミーと知り合いでしたか。

後で詳しく聞いたらランファよりも前に知り合ってたって。

何ならトミーの親父さんの飲み友だったらしい。

……伯爵、年齢いくつよ。


「なんで日本に?日本酒の解禁日はまだ先のはず……」

「カッカッカッ。コミケ参加のためだ。コミケはいいぞー。混沌とした空気!己の欲望を満たそうとする狂気!とても居心地が良いのだ」

「……コミケ、そんなやばいところじゃないでしょ」

「ほー?こみけ?ワシには分からん世界じゃ」


トミーが首を捻る。

それでいいよ、トミー……

これでコミケ参加経験あるとか言われたら俺の亜人の概念が壊れるから……

トミーと合流したのでそのまま集合場所まで行くことに。

トミーの武器は巨大なハンマー。

前、ドラゴンゾンビやスケルトンドラゴンをワンパンで再生不可まで破壊したヤツです。

遠距離の伯爵と近距離のトミー。

この二人がいれば俺、何もしなくていいね。

楽ちん楽ちん!

……あ、空中の敵は俺が倒せ?

……頑張りまーす。

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