第1068話 ランチ

「へー、ここですか?」

「僕も知らなかった。こんな所に洋食屋があったなんて。田島さん物知りですね」

「いえいえ、知り合いから教えてもらったんですよ。にしても……この見た目とは……」


はい、讃岐さんの知り合いのお店にやって来ました。

メンバーはビリライブとねおばーちゃるの社長さん。

あとマネージャーさんとかスタッフ諸々合わせて11人。

……思ったより大人数だな。

お店、電話した方が良かったかな?

目の前にあるのは古びた洋館。

周りはビルが乱立しているなかここだけポツンと立っている。

表の出窓には色々な小瓶が飾ってあって物語の魔女の家感がすごい。

あと看板の文字がボロボロで読めない……


「と、とりあえず行ってみますか。田島さん、お願いします」

「な、何かあったら大変ですからね。ここはSSSランクに……」

「……そんな事ないでしょ。いや、先陣はきる予定でしたけども」

「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」


……仲が良くてよろしい。

とりあえずドアを開けて入ってみる。

中は4人がけのテーブル席4つ、カウンター席が3つ。

ほのかに明かりがついているけどよく見える。

カウンターの奥には大柄の男性が。

入ってきた俺達にびっくりしたのか少し驚いた顔をしている。


「……らっしゃい。ランチ時にここに来るとは珍しい」

「あ、もしかして営業時間終わってます?」

「いや?そもそも入口がアレだからほとんど人が来ねぇんだ。夜に馴染みの客が来るぐらいだからな。ま、客が来るのはありがたい。何人だ?」

「は、あ!11人です」

「あいよ、好きな席に座りな」


男性がゴソゴソと何かを探しに奥に行く。

俺たちは席に座る。


「いやー。中は思ったより綺麗ですね」

「キッチンも綺麗そうで……期待出来そうですね」

「……サラッとおふたり、カウンターに座りましたね。テーブルじゃなくていいんですか?」

「いやー……ねぇ?」

「ここだけの話、僕と大矢野さんは料理を作るのを見るのが好きなんです。こういうカウンターがあるお店だと無意識に座っちゃうんですよ」


あー、料理って作るところを見るのもいいよねー。

料理番組もそうだけど、町中華のおっちゃんとかがでっかい中華鍋振ってチャーハン作ってるところとかずっと見てられるもん。

なるほど、おふたりもそっち側の人間と。

仲良くなれそう!

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