第1038話 衝撃の事実

「そうだ。デウス・エクス・マキナ、もといエクス!吾輩の酒蔵の酒が無くなったからヴィマーナに発注するぞ。とりあえず林以蔵と侍の砦、桜島の黒、赤、茜を10本ずつ。あぁ、喝祭を一升瓶で3本お願いするぞ。これは吾輩用のやつ」

「……今はオフだから仕事しない。発注はネットでやれ」

「何だ、いいじゃないかー。君頭にネット繋がっているだろう?発注書すぐに作れるし、本社に送れるだろ」

「……営業時間外だ」

「お?桜島ってこの桜島か?」


豪鬼さんが一升瓶を持ち出す。

さっきから思ったけど、一升瓶腰に括り付けてるのは何なんだろう……

流石に飲兵衛にも程がある。


「……ってそうだ!さっきから出てきてる酒、全部焼酎じゃん!しかも鹿児島の!」

「うむ!日本の酒は亜人たちに評判だぞ。吾輩は日本酒の方が好みだが、年末にパーティがあるからな!在庫を多めに用意しておくに越したことはない」

「……年越しパーティか。お前また分身体で参加するつもりか?」

「もちろん!名前は貸しているがパーティとは名ばかりの酒飲みの集まりだからな!場所さえ貸してしまえば吾輩は不要なのだ」


……お、おう。

そんなものなのか、貴族のパーティ。

シュート伯爵曰く、この古城がある場所は一応国だそうで、この国の貴族たちが年末年始集まるパーティがあるらしい。

元々用意していた酒はイサマさんのところに現れたデーモンオーガに4割ほど飲まれたので追加で欲しいとの事。

……貴族が所有している酒の4割って、何升飲んだの?


「……はぁ、とりあえず連絡だけしとく」

「すまん、ありがとう!新刊は割引するぞ!」

「……新刊作ってないくせに」


うん、エクス頑張れ。

そういえば、さっきからシュート伯爵とかエクスから『新刊』って言葉が出てくるな。

この時期の新刊って言えば……


「……なんじゃろ、ショートコントを見せられているようじゃ」

「個人的にはさっきから新刊とかのワードが出ているのが気になりますけど……」

「……田島殿もか。ワシも薄々思っておったが……まさか、な」

「明明後日はコミケ!吾輩はコスプレ参加と既刊の写真集をもって参加するぞ!」


で、ですよねー!

まさかだよ!

深淵のモンスターがコミケ参加!

衝撃の事実すぎる!

あ、だから配信とかに詳しいのか。

なるほど納得。


「……って納得出来るかー!え?マジ?深淵のモンスターが?しかも写真集?!コミケで?!」

「冗談も大概にするのじゃ!しかも漫画じゃなくて写真集?!」

「……そこは個人の自由だろ」

「「それにしてもだよ!!」」

「ちなみにエクス君もサークル参加しているぞ?こちらも毎回完売しているそこそこファンがいるサークルだぞ」

「……そこ、喋るな」

「「ウッソだろお前!!」」


ちなみに写真集はシュート伯爵の写真が3割、残りは先程いた天使達の写真だそう。

毎回50部刷って完売しているらしい。

……完売してるって、そこそこ有名なところじゃね?

エクスも同人誌出してるのは衝撃なんだけど?!

内容はシルバーアクセサリーの作り方とフリーの風景資料?

……意外すぎるだろ。

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