第1020話 助けが欲しい?
「助け、求む。金、出す」
「助けを求めるって……どうしましょう?」
「うーむ、今回はこのダンジョンの沈静化が目的じゃからなー。イサマ殿、お主たちはワシらに敵対するか?」
「しない。我ら、平穏を望む。ここにいるもの、ほとんど、色々な世界で家族を亡くし、さまよっていた者たち。戦はしない」
「……ますます喧嘩を起こした若造共がゴミに見えるな。確かにどこかしらに傷を持つものが多い」
エクスに言われてよく見ると指や腕、足がないコボルトが数人いる。
小柄なコボルトは戦争孤児や、力が弱いコボルト族なんだそう。
イサマさんはアヌビス神の加護を持っているそうで、深淵を渡り歩いて傷ついたコボルト達を助けて自分の収める土地に導いているそう。
イサマさん、ええ人やん……
「我らの望み、オーガを倒して、欲しい。そのためなら皆協力する」
「オーガ……どのようなオーガかによるのう。そもそも深淵なんぞ、ワシらそうそう行けるものでもないしのう」
「問題ない。深淵への道、借りてる。逃げてくる時、友人に助けてもらった」
「友人??亜人の方ですか?」
「アジンと言うよりは深淵のアルジ。『ニホンにいけば助けてくれる』と言って、ここに繋いでくれた」
「……繋いだ?まさか、お前らがセーフゾーンにいた理由って」
「うむ、ポータルを、繋いでもらった。友人の世界への、ポータルだ」
……ちょいまち。
情報を整理させて?
イサマさんたちは深淵の民。
そこにオーガがやってきて逃げ出してきた。
友人の亜人に出会って日本にポータルでやってきた。
ポータルの出口は中層のセーフゾーン。
……やばない?
そのポータル、深淵に繋がっとるっちゅうこと?
そんな馬鹿なことある??
「……ポータルを作れるヤツなんてそうそういないぞ?しかも深淵とダンジョンを一気に開通させただと?!……一体誰がそんなことを」
「それが事実なら本当に厄介じゃのう……今配信しとるのが間違いじゃったか?」
「む?ハイシン、していたのか?」
「……配信について知っているのか?」
「ほう!コボルトも配信を知っておるとな?これは驚き」
「友人から、聞いている。『タジマアラタというハイシンシャはキララマルを作った男。ニホンについたらハイシンシャを見つけて、タジマアラタを探してもらうと良い』と、言われた。ハイシンシャなら、話が早い」
ブッ!
な、なんで俺の名前が?!
しかも雲母丸?!
俺とエクスが作った人工知能が搭載されている魔導蒸気機関車じゃねえか!
:なんかすごいことになってきた
:おっさん、また深淵に行く?〈500円〉
:٩(ˊᗜˋ*)وうぇーい♬︎♡みってるー?
:コメを炊けー!!!
:これは世紀の発見
:ズイ(ง ˘ω˘ )วズイズイ(ง ˘ω˘ )วズイ
:亜人にも名前が知れ渡っているおっさん〈50000円〉
:雲母丸って言った?この前の文化祭で話題だったヤツ?
:おっさんすげー!
:チワワちゃーん!!!〈2000円〉
:ダンジョンスレが盛り上がってるなう。誰か凸ってくるかも?〈5000円〉
:おっさん最強!おっさん最強!〈50000円〉
:コボルトと戦闘がなさそうでよかった
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