第1015話 〈閑話〉ダンジョンの上層にて
『……一般の探索者は避難願います。繰り返します。ただ今、イレギュラーモンスターが出現したため、殲滅作戦は中止となります。一般の探索者は速やかに避難願います……』
「……だそうですよ、お義父さ……ゴホン、豪鬼さん」
「グラララララ!イレギュラーモンスター?良いじゃねえか!そんなヤツ程度に負ける俺じゃねぇ。こんなイベント、楽しまなきゃ損だろ!いやー、関東は楽しいな!」
「イベントじゃないからパパ。それに、ギルドの職員さんも来てるし帰りましょう。そもそもパパはランクも足りてないじゃない。ゴン太のランクで付き添い参加してるんだからゴン太に従ってよね!」
「あぁ?おいミミ!そうは言ってもこのダンジョンが沈静化しない限り、その年末のライブ?が出来ねぇだろ?第一陣は常温保存しても問題ない野菜を持ってきてるから問題ねぇが、受け取りにサインしてもらわねぇと困るからな!第2陣を取りに戻って帰ってきてら年が明けてしまう。グラララララ!」
「……それとこれとは話が違いますって。そもそも納品は明日です!第2陣は飛行機で運ぶからトラック入りません!豪鬼さんが張り切って高速ぶっ飛ばしてくるから早くついただけですし……」
「そうそう!あの野菜、あーさんが企画して参加者にコッソリ準備する的なこと言ってたのに……パパのトラック派手なんだから目立つし、今ホテル前に?預けてるでしょ?頭の飾りが天井に擦りそうって怒られたんだからね?」
「グラララララ!早めに渡した方が準備がしやすかろう!料理は下ごしらえが肝心ってな!……む?誰か来るぞ」
「フンフン……この匂い……男と女のふたり?後ろからは獣の臭い……モンスターから逃げてる?ミミ!」
「おっけー、ポーションの準備する」
バタバタバタ……
「伊丹!くぅ、しっかりせぇ!……全くお前さん身体が大きいから運ぶのが大変じゃ!」
「み、巫女様……申し訳ないです。バクハさんの代わりにと志願したのに……まさか、上層にマンティコアがいるとは……」
「ええい、喋らんでええ!しかし運んで逃げるにしてももう妾も体力が……む、人影?!」
「大丈夫か!?怪我はないか!って鬼?!……あ!あーさんがコラボしてた巫女様って人か……オーガかと思った……」
「怪我はありませんか?背負っている人は?毒とか呪いとかは?!って、伊丹社長?!ねおばの有名人じゃないですか!サイン欲しい!」
「な、探索者じゃと?!避難指示が出ておったじゃろ?!何故ここに?!」
「……は、早く逃げて、ください!……ま、マンティコアが……!」
「「マンティコア?!」」
ガァァァアアアアァァァァ!!!!
「くっ、もう来たか!」
「……ば、万事休す、ですね」
「グラララララ!……マンティコアか!久しぶりだな……」
「お義父さ……ご、豪鬼さん?!」
「……パパ?!」
「ゴン太!ミミ!そこのふたりを運んでやれ……俺は……」
ゴッ!
ドッガーーーン!!!
「……叩き潰しておく」
「……もうワンパンしてるじゃないですか、豪鬼さん」
「……パパ、やりすぎ」
「な、なんじゃ?!」
「あ、アンビリバボー……」
「……ふむ、威力は上々……これならリミッター解除する必要はねぇな……よし、ゴン太!ミミ!マンティコアの解体は任せた!まだ暴れ足りないし、俺はそのまま下に降りるぞ。そこのふたりも地上に連れて行ってやれよ」
「へ?!豪鬼さん!」
「ちょっとパパ?!勝手に決めないでよ!?」
「さ、先に進むじゃと?!危険すぎるぞ!マンティコアをワンパンするとか聞いたことがないが、それでも危険じゃ!」
「……マンティコアをワンパン……田島さんのアーカイブでしか見た事ないんですけど……やめておいた方がいいかと……!」
「……あらた君と同じ、か。それはそれで嬉しいような悲しいような……なーに、すぐ帰る。お土産楽しみに待ってろ!グラララララ!」
「パパ!……ったく、なんで地元の男は脳筋ばっかりなのよ!」
―――――――
閲覧ありがとうございます!
早めにフラグ回収です。
星、ハート、コメントよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます