第936話 オーコ、まだやる

『はぁ……はぁ……ふざけやがって!』

「はー、無駄に硬いところまで完コピしてるの?その辺は妥協しなさいよね」

「は、破砕機で粉砕して無事な人、は、初めて見ました!」

「これ、あーさんでやっても同じなのかしら?」

「入りません」


はい、神様達の猛攻?が終わり、オーコボロボロです。

まだ俺の姿を保ってるあたり魔力は残ってそうですねー。

首からどんどん出てきてるけど。


『ちっ、魔力がでかい魔法は使いたくなかったが……塵となれ!『ブラックホール』!』

「『ブラックホール』……危ない危ない。これは同系魔法で相殺しないと被害が大きすぎる」

『な!テスカトリポカ!お前も闇魔法を?!』

「……一応黒豹だからね?色のイメージってのがあるのさ」


オーコが出した黒い玉を同じ魔法で相殺するテスラさん。

そういえば闇魔法、覚えてたなー。

あれ、肉ごとダメにすることがあるから使わなくなったんだよねー。

後『ブラックホール』は吸い込みすぎる。

たまに俺が吸い込まれてたからね。

……腕持っていかれた時はどうしたもんかと頭抱えてたっけ。


「さぁ、そろそろ魔力も尽きてくる頃だろう?終わりにしようか……コピーされるリスクがあるから使いたくはなかったけど、この際本気でやろうか……『黒キ最初ノ太陽』」


そう言うとテスラさんの頭上に黒く輝く火の玉が現れた。

周りの気温が一気に上がる。

……汗だくになりそー。

換えの下着、持ってきててよかったー。


『……くっ、何だこの力?!』

「……これでも一応太陽神なのでね。なーに、瞬間温度は太陽の黒点ぐらいらしいから今の君なら耐えれるだろうよ、多分。聞きたいことがあるから死を押し付けたりはしないから安心して」

『ちぃ!伝承も少ない、アステカ神話の神々め!『セイント・シールド 』『グランドウォール』『ウォーターフォール』!』

「あれ?神聖魔法?あーさん使えたのかい?ま、コレは特に意味は無いけど、そーれ」


オーコが防御魔法をフル展開。

テスラさんがそれに向かって火の玉を投げる。

火の玉は防御壁に当たってもゆっくりと進み続ける。

真っ黒な玉がゆっくりと近づいてくるのって中々の恐怖だよねー。


『ぐ、グオオオオ!!!』


ドンッ!!!




『グ……ち、チクショう……身体ガ……動カナい……』

「……終わり、かな?まさか体が半分残るまで耐えるとは思ってなかったよ。けどもうその身体なら何も出来ないよね?」

「……マジでバケモンみたいな技使いますね……てかオーコ耐えるの?!絶対消し炭になったと思った……」

「いや、あーさんをコピーしてるなら骨程度なら余裕で残るかなって。毎朝牛乳飲んでるでしょ?」

「そりゃカルシウムは足りてますけど!限度があるでしょ!限度が!」

『グはッ!』


人をなんだと思ってるんですか!

オーコは身体の半分が消し炭になってギリギリたっている状況です。

いや、俺つえー……あ、そういうことじゃない?


テスラさんにツッコミを入れていると不意にどこからか音が。

ファァァァァン、ファァァァァンと小さく長く響いている。

……この音、どこから?

辺りを見渡すと、オーコの頭、半分以上溶けている王冠が光っている。


『……クハッ……ようやく、間ニ合っタ……!』


オーコが崩れた顔でニヤリと笑う。

あ、もしや第2形態ある系?

ボロボロのオーコが王冠に手を当てる。

王冠は今にも崩れ落ちそうだけど赤く光っている。


『……ハツ、どう!』


その宣言とともにオーコが真っ白に輝く。

ま、また!




目が!目がぁ!!!

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