第923話 解説の時間をください!

「ゲホゲホ……超いてぇ……ウプッ……出てくる」

『クハハハ!なんという力だ!ドラゴン、いや神ですら殴り殺せそうだぞ!あの劣化ドラゴンがボコボコにされるはずだ……そしてお前の硬さ、やはり人間のそれとは違うな。お前、何者だ?』

「……に、人間ですー。てか、それ俺のスキルじゃん……コピーにしても強くね?……あー、吐きそう……」


腹に1発とかいつ以来?

結構なダメージ入ったんやが?

オーコは手を握りながら力を確認している。

機械で覆われた巨大な拳、どう見ても俺がたまに使う『巨人の拳』と『造兵局』の複合です。

コピーってそこまで出来るん?


「て、テスラさん。もしかして、コピーって結構厄介な能力です?」

「……そうだね。自分自身が強ければ強いほどめんどくさくなるのがスキル『コピー』……けど、あれは……」

「あれは……とんでもなく不味いわね。全く、嫌な感じー」

「ち、ちょっと想定外すぎます……」


テスラさんが言葉の濁し、ケルーさんがすげー嫌そうにボヤキ、トロさんが頭を抱えてます。

……あ、やっぱり不味い系?

俺のコピーってだけでそこまでなの?


「あらあら、あーさんは何も分かってなさそうねー。ま、そもそもスキル『コピー』って激レアスキルだし。解説聞く?」

「あ、お願いします。オーコさん、一旦タイムー」

『……命をかける戦いにタイムとかないだろ』

「いや、ちゃんと解説を聞かないと分からないですよ?どんな相手をしているのかとか、強さとか」

『知らん!』


そう言ってオーコがダッシュしてくる。

げ!電気纏ってる!

あれ、シヴから貰って適正なくて使ってないスキルじゃん!

電気を纏って雷の速度で移動出来るやつ。

学校に行くのが早くなると思ってたけど使えなくて凹んだんだよねー。


「……って、そんなこと言ってられないか。ふん!」

『な?!』


拳を振り上げて突っ込んできたオーコをガシッと受け止める。


「……そのスキル、どう頑張っても一直線にしか移動出来ないんですなー。速度は爆速だけど予想はできる。細かく移動するとフェイントかけられるんですけどその前に膝が砕けちゃうんですよねー。懐かしいわー」

『……雷の速度に反応出来るお前は異常だよ』

「……ノーコメントで。解説聞くので一旦離れてて……ください!!!」

『うお!?!?』


俺は思いっきりオーコをぶん投げる。

俺もシヴのスキル使っちゃおう!

使いこなせないだけでとりまぶっ飛ばすだけなら利用してもいいよねーってことで、雷の速度で巴投げ。

オーコは放物線を描きながら爆速で宙を舞う。

……さっきの巨人よりは飛ばせたな。


「よし、時間は稼げそうだな。チャーリーさん、解説お願いします」

「……多分だけど、あーさん。解説しなくても戦えてない?私たちの説明いる?」

「コピーされているとはいえ、自分自身に打ち勝ってるじゃないか……全く、君って奴は」

「……アンタ、マジで人間やめてるって」

「こ、今度、真面目にぜ、前世を調べてみましょう。も、もしかしたらい、異世界人の可能性があります」


……えぇ、そこまで言う?

あ、けど前世異世界人ならちょっと興味あるかも?

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