第904話 何故か戦闘!オーコ

「……そこで見ているのだろう?人間、いやタジマアラタ」


オーコがこっち指さす。

……後ろに誰もいない?

……俺かー。


「……やったぞあーさん、ご指名だ」

「なんでお前は嬉しそうなんだよ……お前がいけよー」

「……名前まで指名されてるんだからお前だよ。ほら行け」

「ちょ!?ま!?」


エクスの袖から機械の腕が伸びてきて俺を押し出す。

ドンッという衝撃から中央広場まで吹き飛ばされる。

……あんにゃろう、後でぶっ飛ばしたろ。


「イテテ……あ、はじめましてー。田島でーす……オーコさんですっけ?俺、帰っていいですか?」

「言いわけないだろう?俺はお前を倒すために来た。オークションを襲撃しようと思ったが準備運動の場所に来ているとは好都合。お互い全力を出せるというものだ」

「……襲撃する気満々だったんですか。あれ?ランクルさんは襲撃しないって言ってたような?」

「俺はランクルとは違う。俺は強さを求める!ランクルが作り出した人造モンスター……その分身体とはいえ地上で倒したお前を倒すことで世界に力を見せつける!」


……わぁ、すごーい。

ランクルさんの人造モンスターってゾバトレルだよね?

あれ、基本ケルーさんとかトロさんが倒したんだけどなー……


「……せめて四つの太陽メンバーにしません?あっちの方が強いですって」

「冗談抜かせ。お前、単純な魔力ではあの4人に勝っているだろう?それにまだ本気を出してないよな?」

「いやいや、魔力でも負けてますって。あっちは神様ですよ?一介のサラリーマンじゃ勝てっこないですよー」

「言い訳するな!……行くぞ」


そう言うとオーコがドロリと溶ける。

いや、溶けたんじゃなくて高速で移動したのか。

気づいたら俺の目の前にいた。

腕はさっきと同じゴーレムの腕。

……あ、これ痛いヤツー。


ゴチッ!


「……っ!何だこの硬さ?!」

「イッテェ……ま、まだ準備出来てないんですが……ふぅ、石頭でよかった」

「石頭で説明できないだろ!」


オーコが一旦後ろに下がる。

腕を見るとヒビが。

ほんと、頭狙ってくれて助かった……

腹だったら倒れてたよー。


「……アイアンゴーレム程度では傷1つ付かないか。流石、それでこそSSSランク……!」


オーコが腕を見てニヤリを笑う。

……あー、この感じ戦闘狂って奴かー。

時間かかるやーつ……

こういうタイプ、心が折れてすぐ凹むか死ぬまで戦闘を止めないかの二択なんだよなー。

せめて撤退の2文字は覚えて欲しい……

心が折れたのを慰めるこっちの身にもなって欲しい……


「ではギアを上げていこう……『イリュージョン』……はっ!」


オーコがそう宣言すると王冠が輝き出した。

光が収まるとそこにいたのは黒い全身スーツの人。

頭の王冠だけはそのままなのがとても違和感。

けど、何か見覚えがあるんだよなー……







……あ、これ頭脳は大人な小学生探偵で見た事ある!





――――――――――

閲覧ありがとうございます!


オーコの扱い方に頭を悩ませてる作者です。


なんでこんなに戦闘狂になったかなー……


星、ハート、コメントよろしくお願いします。


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