第899話 黒騎士の正体
「……スプリガン、通称『妖精を守護する者』とも言われる。恐らく当時の名がしれたスプリガンをモンスターに取り込ませたか、鎧型モンスターを着せたか……どちらにしても反吐が出る」
「けどさっきみたいに血を分けたとかも有り得るくね?流石に取り込ませるとか……」
「……お前のスキル、たとえキメラでもベースとなるモンスターの名前が出るっぽいだろ?それでスプリガンと出た……ならあの黒騎士のベースはスプリガンだ……考えたくは無いが」
げぇ、マジかよ……
人体実験ならぬ妖精実験って奴?
円卓の騎士っぽいことをやるにしても外道過ぎない?
「あ、鎧型モンスターって言うとマガイレイ?あれ確か西洋甲冑型がいたよな。それを着せただけとか?」
「……マガイレイはダンジョンで出てくるモンスターとしては最近の名前だ。元々はデュラハンやリビングアーマーなどと呼ばれていた」
「あー、動く鎧でリビングアーマーか。なるほど納得」
「……もう少し緊張感をもてよ」
いや、緊張感はありますよ?
まずは状況確認が必要ですし?
有識者エクスさんからの説明待ちというかなんというか……
……イテッ!また頭に何かやったか?!
「……はぁ、とりあえず禁忌の術で作られた人造モンスターってことだ。今回は観察だっけか?ならこの辺から様子見しておけばよかろう。アレも動く気配はなさそうだしな」
「イテテ……なら良し。ドローンとかで近くから撮影しとく?」
「……動くか分からんし、そもそも近づいたものを攻撃する系だったら俺たちが狙われるぞ?お前が戦闘したいならそうするが」
「カメラ撮影でお願いします」
「……土下座癖ついてきたな。良き良き」
……ぶっ飛ばしたろかコイツ。
とりあえずカメラを部屋の入口に設置して一旦退散。
部屋の外にアイテムが散乱しているのを見つけたから回収も忘れずに。
アイテムに金色の鳥のマークが刻印されてたから多分マローさん達のアイテムですね。
確か得意武器が壊れたとか言ってたもんね。
後で渡してあげよう。
戻るついでに黒騎士がいた事をおりんさんとグリュンさんに報告しました。
黒騎士の中身についても報告したけどおりんさんが頭を抱えているのが念話から分かったよ。
まぁ、妖精案件ってめんどくさいから……
青騎士は先程と変わらずモンスターを狩り続けているそう。
グリュンさんが監視している白騎士、赤騎士も特に動きなし。
『しいて言うなら赤騎士が中央に動いていますかねー。闘技場の真ん中、でっかい広場の方に走っていってます。アナコンダはもう倒したみたいですね』
『真ん中ー?なんかでかいモンスターでも出てきたんか?……あれ?青騎士も何か動き変わったで?あっちの方向だと……真ん中やな……』
「……騎士達が動き出した?何故だ?」
「へ?また何で?……とりま『迷宮掌握』!……中央はでかい反応はないぞ?」
『はっ!白騎士もゆっくりですが動き出しましたね……まだはっきりと方向は分かりませんが……恐らく中央かと』
……黒騎士に置いているカメラは特に変化なし。
てか真っ黒で見えねぇな……
ともかく、騎士たちが動き出したのは確定ってことで。
何事もないことを祈りたい……
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