第898話 黒騎士を探せ
悲しいかな、闘技場の北側に来ました。
見るからに暗いです。
ほかの通路や部屋は謎の松明とか光の玉とか虫の尻についてる明かりで見えてはいたんだけどここはほぼない。
「……ホラーゲームでももう少し光度上げてると思うんだなー俺」
「……ボヤくなボヤくな。だが、ここは魔力が濃すぎる。おりんを連れてこなくてよかったな」
「あ、そのレベル?仮面つけても?」
エクスが頷く。
どうも普通の人なら魔力過多でパンクして嘔吐、もしくは気絶するレベルらしい。
……マジかー、俺なんともないわー。
やっぱり人間やめてるのかね?
まだ人間でいたいよ?マジで。
「……やっぱり、ドローンも魔力が強すぎて動かないな。ギリ録画機能が生きているぐらい」
「ちぇー。先に行ってみてきて欲しかったけどなー。とりま『迷宮掌握』!さてさて……あと一人の騎士はーっと……お、いたいた」
「……見つけたか。姿形は?」
「んー……モンスターとしては……『スプリガン』って出てるけど……」
「……は?スプリガンだと?マジで言ってるのか?」
「うん。場所はこの先の部屋やな。『スプリガン』って出てるわ」
……なんでハテナが付いてるのかはわからんけど。
エクスを見る目を丸くして驚いた表情。
こいつ、感情が顔に出ないからよっぽどだな……
「……スプリガンは妖精の国でも上位に位置する妖精だ……確かにダンジョンの中には亜人のスプリガンの亡骸の一部が取り込まれてモンスター化することがあると聞いたことがあるが……四騎士は妖精が作り出した人造モンスターだぞ?有り得ん……」
「おいおい、やな予感がするぞ……とりま覗いてみるか」
「……ん」
『スプリガン?』がいる部屋にこっそり近づいて様子を伺う。
部屋の中は真っ黒。
ライトとか欲しいけどこの暗さはあまり意味はなさそう。
部屋の中央がさらに真っ黒になっているのでなんか違和感を感じる……
「……見えねぇな」
「……そうか、お前は魔力感知がゼロだもんな」
「へ?エクス見えてるの?」
「……見たくはなかったがな。共有するぞ」
そう言ってエクスが俺の頭に手を当てる。
……イテッ!
ズキっと頭に痛みが走る。
無言でダメージ与えるなや!
こいつしばいたろか!?
「いってーな!何しやが……は?」
「……一時的に目を良くした。ほれ、見えるだろ……予想される最悪のやつだ。そりゃ強いわけだ」
エクスが頭を抱える。
部屋の真ん中、真っ黒なところにひとの姿があった。
全身真っ黒の鎧に包まれ、手には同じくらい黒い剣を握っている。
その顔、甲冑に覆われているけど目の位置が割れて白目が見える。
焦点があってない……不安になる目。
「……何だよ、あれ」
「……今の妖精もゴミだが古代の妖精はさらにゴミだと言うことだ。同族を、モンスターと融合させたんだろう」
……マジで?
――――――――――
閲覧ありがとうございます!
イメージはfat○0のランスロットです。
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