第887話 山をくだろう

『ナイフ増し増し!足止めOK!さーて、落下位置の指定も完了!喰らいなさい!『クリムゾンスター』!』




ズゴゴゴ……ゴッ!




グギャァァァ!!!


チャドラさんが魔法を発動すると正面にいたオーガに小さな隕石が直撃する。

……あのオーガ、一応第7階層のボスだよね?

一撃ですか?マジ?

超強いやん、チャドラさん。

ショートカットを開通させて各自各々移動することになりました。

俺とエクス、グリュンさんは観音様、マローさん達はニーサさんの召喚した植物の巨人に乗っております。

観音様、ショートカット通れたよ。

さすが観音様パンチ、やっぱすごい威力やったんやねー。

ニーサさんの巨人、ツタで作られた大木のような見た目。

グーパンでロードヘッドゴーレムを吹き飛ばしているから単純な威力としてはオーガ、ワイバーンクラスの強さです。


『お、チャドラ今日は調子が良さそうだな!』

『もちもちのもち!ちゃーんと体調整えてきたんだから!』

『うん、命中精度も良き。タジマ氏、先に進むよ』

「あ、おけでーす」


無線機からニーサさんの声を聞いて先に進む。

観音様と比べてニーサさんの巨人はあまりにも小さいから気をつけて動かないとね。

何なら山肌にしがみついて降りてるからそのままズルズル落ちていくのもありかな?


「……山肌ゴリゴリ削れていってるな。グリュン、集めておかなくていいのか?」

「うーん、ウチはアダマンタイトとダマスカスについては一応足りてるからねー。それこそインドは魔鉱石足りてる?最近色々やってるって聞いてるけどー」

「……インドは北と南に良質な鉱山を持ってるからな。後もう1トンいただいた」

「……サラッと集めてたんかい。俺も欲しいからここ任せてええか?」

「……仕方ない」

「いってらっしゃいでーす」


そう、この山、ほぼ魔鉱石で出来た山なのです。

エクス曰く魔鉱石を求めてこれだけのゴーレムが集まってきているんだって。

ゴーレムの素材を求めてオーガやトロール系が集まり、それを捕食しょうとドラゴン、ワイバーン系がやってくる……そうやって生態系が作られてるんだってさ。

ゴーレムが欲しがるほどの鉱石なのでとても上質……らしい。

だって石だよ?

光り方ぐらいなら分かるけど低品質と高品質の石並べたけど全く違いがわからなかったからね?

それこそトミーとか鍛冶屋の人に持っていけばいいんだろうけどさ。

てなワケで適当に集めております。

一応別口の指名依頼の中に魔鉱石数トンの納品があったからねー。

熊本じゃ達成するのめんどくさかったからここで一気に稼いでおこうっと。


『ん、この感じ。ジェスとアジャの魔力』

『他にもデッケェ魔力があるな!先遣隊に追いついたぞ!』

『みんな大丈夫かなー。早く合流しないとね!お、ちょうどボス部屋にいるみたいねー。あ、グリフォン!ちょいやー!』


あ、手斧でグリフォンが落とされた。

流石チャドラさん、全米一の実力者ー。

無線機からマローさん達の声が聞こえる。

そろそろ合流ですか、いいですねー。

……多分過剰戦力だよねーこのメンバー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る