第885話 すみませんでした(土下座)

「……いいか、あーさん。ダンジョンにも常識はあるんだ、わかるか?」

「はい……」

「ヒャッハー!流石タジマだぜ!最っ高にクールだ!」

「まぁまぁー、いいじゃないですか。ダンジョンは勝手に修復するしー」

「……マロー、はしゃぎすぎだ。気絶しているほかのメンバーを気にしろ。あとグリュン、その認識は甘い。こいつは早めに叱っとかないとさらにやらかすからな」

「俺は子どもか!」

「……子どもよりタチ悪い!」


ゴンッ!

いってぇ!スパナで殴るな!

てかどこから出した!


はい、現在砂の上に正座してエクスから小言を聞いております。

後ろには土下座している観音様。

……マローさん、ノーズブックに上げる写真を取らないで。

ジャパニーズドゲザじゃないから……

金剛阿修羅大観音の一撃は予想通りダンジョンの壁を越えてショートカットを開通させました。

……但し1つ下ではなく4つ下まで。

……穴の下、よく見ると雪が振り積もった山々が見えます。

確実に第7階層の山岳地帯です、ありがとうございます。


「まさかそこまで貫通すると思わんじゃんよー。ここのダンジョンの壁が脆いんよー」

「……脆いわけあるか。なんだあの威力、念の為に貼っていた防御魔法貫通してるんだぞ?しかも12個のうち10個も!小惑星の衝突並みだぞ」

「ほ、ほら小惑星の直撃なんてエクスは受けてないだろ?計測間違いだって」

「……だとしてもだ。他のメンバーを見てみろ?そもそも最初のインパクトで気絶してるんだぞ?まともなのはSSSランククラスだけって辺りで察せよ」

「いや、ボクも呆れてますよ?流石に規格外にも程がありますよ?支援者だってダンジョンの壁2~3枚は破壊したことはあると思いますけどこんなに一気に、しかも一撃で破壊するなんて……」

「ほんと!タジマは予想の斜め上を軽々と超えてくるぜ!よし、ノーズブックに投稿っと!」


やめて!また世界に土下座が広まる!

……てか、あれだよね。

確かグリュンさんの支援者ってあれだよね。

伏字になってるけど深淵のモンスターでシヴと匹敵するぐらいの神格クラスだったよね?

……えぇ、マジ?

絶対砂漠だったから下が緩かっただけだって。

確かに密林地帯まで抜けられたらいいなーとは思ってたけどさ!

俺の魔力ゴリっと持って言って作られた観音様だから余裕かな、とは一瞬思ったけど!


あ、やめろエクス!

痺れてるから!

足の裏ドローンでつつかないで!

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