第880話 金剛阿修羅大観音
「……我の前に顕現せよ、我が道を阻むものを粉砕し、祓え給え、清え給え。守り給え、幸え給え……『金剛阿修羅大観音』」
スっと身体から魔力が抜けていくのを感じる。
……この感じ、ジェットコースターが落ちる感じだから苦手だったんだよなー。
フワッとする感じ?
あんまり使いたくはないよねー。
……って、やば。
身体の魔力全部持ってかれそう!?
「……あ、やっば!魔力ゴリって持っていかれる!エーテルエーテル!!……ぷはっ!死ぬかと思ったー……げぇ、上級エーテル飲んでもまだ持ってかれてる……こんなヤバいやつだったか?」
「……お前、流石にその口上はない。厨二拗らせすぎだろ。てかなんだその魔力、異常すぎるだろ……!」
「うるせー!あの時は呪文とか仏教とかにハマってたの!一応本気モードだからちゃんと口上喋ったんだよ!俺だって今にも血反吐吐きそうなんだぞ……設定もう少しねればよかった」
もうー、思い出しただけで吐きそう。
いや、あの時は歴史の教科書の阿修羅像を見て感動したんだよ。
ちょうど実家の近くのスーパーのガチャポンコーナーに仏像のやつも入ってたしハマってたんだって。
さて、俺の魔力をゴリっと持っていったけど顕現までもう少し時間がかかるかな?
砂嵐が到達するまでには出てくるかな。
「……そもそもロボじゃない。減点」
「知らんがな。ロボ至上主義やめろよ……中学の時はそこまでロボ見てないんだよ」
「……種子とかニアスは世代だろ」
「いや塾行ってたから。うちDVDなかったしリアタイ出来んし」
~~~~~~~
「ねぇねぇ、タジマ、何すると思う?」
「ショートカットの作成、その発想はなかった」
「そんなこと言うなんて思ってねぇよ!流石CIAが警戒するわけだぜ」
「ほんと、凄いですねー。ボクの支援者も注目してましたし」
ドンッ!!!
「……!大地が、魔力が溢れる……何か、くる!」
「揺れ?!おいおいおい!サンドワームか?あいつらは第3階層にしか住んでないだろ?!」
「ニーサ!壁厚めに!アイツらに飲み込まれても牙に当たらなければ大丈夫だから!」
「これは……タジマさん?すっごい魔力だ……本当に人間なのかな……?」
「グリュン!お前も魔法防御上げとけ!……タジマ!無理すんなよ!」
~~~~~~
「お、キタキター!この感じ……砂嵐から出てくるな?」
「……あぁ、魔力の塊が見えた……もうやな予感しかしないぞ」
「まぁ、中学の時にイメージした『これ最強の仏像じゃね?!』を具現化したヤツだし。スキル的には俺のイメージを魔力を使って守護獣?守護神が出てくるとか何とか?一応実家の近くにいたゴブリンの親父さんに聞いたけど」
「……そういえば実家の近くにゴブリンが住んでたなお前。いや、お前の知り合いにゴブリンとオークがいるのは知ってたけど……はぁ」
そこ、ため息つかない。
そんな話をしていたら
パッ……
砂嵐が突然霧散し、目の前に巨大な影が。
3つの顔に異様なほど膨らんだ太い腕、後光を模した2つ目の輪っか……
全身が黄金に輝きなんとも言えないオーラを放つ。砂丘に巨大な仏像が立っていました。
うん、今見ると罰当たり!!!
――――――――
閲覧ありがとうございます!
見た目のイメージはPS○2のレイドボスです。
大学時代みんなで周回したなー。
星、ハート、コメントよろしくお願いします!
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