第875話 エクスと二人で砂の海
「方角が分からないことには闇雲に進むことになるわね……こんなこと初めてだわー」
「ふむ、初めて」
「……すんません、魔力抑えれなくて」
「……今度、魔力制御覚えるぞ。これはガチでだ」
エクスにジト目で言われると腹立つな……
まぁ、こういう事になるのは想定してなかったなー。
チャドラさんとニーサさん曰く、この第一階層は砂嵐とかも発生するからタンブルウィードとかで方角を把握しておかないと気づいたら入口に、とか平気であるそう。
……逆に永遠に砂の海を彷徨うこともあるとか。
……嫌だなぁ、それ。
「ボスモンスターの匂いとか分かります?ボクの子達に探させますか?一応魔力感知もできますけど」
「第1階層のボスはランダムだからな。サソリだったり蛇だったり……ゴーレムだったら匂いとか出さないしな。ニーサ!とりまタンブルウィード出して走らせよう。タジマは一番後ろから!俺たちの場所は把握できるよな?」
「あ、はい。『迷宮掌握』があるので。じゃ一旦別行動で?」
「……俺はあーさ……いやあらた氏について行く。ダンジョンのソロはいちばんマズイからな」
「おっけー、了解!じゃ先に進むぞ」
ニーサさんのタンブルウィードが走り出す。
若干まだ俺にツタを伸ばそうとしてきたから1回ぶん投げたよね。
とりあえずマローさん達と500メートルぐらい後ろから歩くことに。
一応通信機器もあるので適時連絡は忘れずに行う。
このダンジョン、『迷宮掌握』でも把握出来なかったんだよねー。
基本『迷宮掌握』を使ったらダンジョンの縁?っぽいのが見えてぼやーって感じで分かるんだけど、この階層、無限に続いてるんだよねー……
この感じ、なーんか深淵についた時みたいだ。
ここ、上層なんだけどねー。
しかも第一階層。
『迷宮掌握』で確認しながら歩いてるけど、このスキル、立ち止まらないと精度が悪くなるからとても不便。
ここ、立ち止まった瞬間に砂の中から蛇とか魚とか出てきて襲ってくるし……
「……お前も手伝え。サンドフィッシュ系は電気効かないんだ」
「と言いながら実弾とレーザーで虐殺しとるやん……俺いらないやろ」
「……実弾コスパ悪い。レーザーは魔力を使うからタイパが悪い」
「ほら、ソーラー頭に乗せていただいて。サンサンサン太陽のひかりー……それにしてもエクス、『四騎士』ってそんなに強いんか?お前も参加するって国からの要望だとしても異常じゃね?」
「……それはうちの上司が予定も確認せずに引き受けたからだ。思い出すだけで吐き気がする……」
あー……陽気な破壊神のせいなのね。
何でも今日はフランスとイギリス、ドイツのギルド長官との大事な会議だったらしい。
それをすっぽかすのはマズイと同じSSランクのエクスが選ばれたそう。
……うん、ドンマイ。
「……まぁ、あーさんには伝えておくか……『四騎士』……あれは亜人が作り出した禁忌の騎士……いや、モンスターだ」
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