第873話 SSSランクのグリュンワルド・シュバルツシルトさん

「おいおい、そことも知り合いかよー。タジマは友達が多いんだな!四つの太陽しかり、インドで急成長している『ヴィマーナ』の2人とも知り合いとは!じゃもうひとりとも知り合いか?」

「あ、えっと……はじめまして、田島安来太と申します。名刺は持ってきてなくてすみません」

「あ、こちらこそ!ボクはグリュンワルド・シュバルツシルトと言います!皆からはグリュンと呼ばれています。どうぞよろしく!」


わぁ、笑顔が眩しい……

元気がええ人や……

グリュンさんはドイツの探索者。

今年SSランクからSSSランクに昇格した実力者だってさ。

確か去年オークションにいたような?

会ったら何となく思い出したよ、うん。

グリュンさんは『黒狼』の2つ名を持つテイマーさんだそう。

ティムしているモンスターは巨大な黒い狼の群れだって。

テイマーが手懐けるモンスターは1人1匹が常識。

複数所有すると所有者の魔力が負けた時逆にモンスターに捕食されるから禁止されている。

てかやった人が死んでるから誰もやろうとしない。

けど、グリュンさんは12頭の群れをティムしてるそうな。

……人間じゃないよねー。

流石SSSランクですな!


「うっし!それじゃ作戦会議と行こうか!ま、作戦というか攻略方法だな。ちょっと5分ほど休憩したらそこの部屋に集合してくれ」

「了解」

「おっけー!ナイフの準備しとこ」

「……御意」

「承知したよー」


一旦各々トイレや水分補給をする。

……まさかエクスが来てるとはなー。

いや、そもそもSSランクに上がってるのがあれか。


「ほんと、連絡してくれれば良かったのに。祝いの品送ったぞ?ランクアップの」

「……どうせんまい棒のセットだろ」

「よく分かってるじゃーん。好きだろ?んまい棒。新味出たぞ?博多水炊き味」

「……年末コミケ行くからそこでよこせ。で、あーさん。グリュンの説明は必要か?」

「へ?説明?何の?」

「……はぁ、やっぱり忘れてるな。1度話題に出したんだがな。はぁ……」


……あれ?もしかして初見じゃない?

普通にはじめましての挨拶しちゃったけど?

グリュンさんを見ると同じく困惑の表情。

何の話??


「……まぁ、ちょい出しだったしな。あーさん、グリュンは自立型戦闘ゴーレムだ。この前学園祭にいた【嘆き悲しむ花崗岩の天使】と同じ作者のゴーレム【黒く猛る人狼】だ」

「はーい。こう見えて亜人?らしいですよ。ボク、一応崩城に留学に行っているカイラとミュレは妹ってことになってるのでよろしくです!」

「へ?!あ、そういう?!」


そういえばこの前、深淵に住む『伯爵』がどうのこうのって言ってたな!

今雲母丸を預かってる人だっけ?

その人が作ったゴーレムとな?

どう見ても人間です、ありがとうございます。

……てか知っているだけで亜人が6人いるんだけど?

マジですげーパーティやん。

一国ぐらい滅ぼせそう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る