第872話 追加の増員

「へー、ここがデスバレーダンジョンですかー……なんか映画で見たような?」

「砂漠の中にある石の神殿……有名な映画、『リアリティージョーンズ』の神殿は別のとこだ。ま、入りやすいからいいじゃねぇか。砂の中を掘り返すよりはマシさ」

「そそー。何なら昔、ギルドが映画に寄せて見た目弄ったらしいからね。映画ファンを呼び込もうとして整備してみたら地獄のようなダンジョンだったって訳」

「ここデスバレーダンジョンは、アメリカの中では古参に入る。見つかった当時は突入する探索者があとを立たなかった。だから死者数も最大」

「な、なるほどー……」


あ、地味にニーサさん初めて声聞いたな。

ヘリコプターで降り立ちましたはデスバレーダンジョンの入口。

ガッツリ石の神殿が目の前にたっております。

入口から数メートルはギルドが制圧して受付とかがあります。

けど、デスバレーダンジョンはアメリカ最恐とも言われる恐ろしいダンジョン。

ダンジョンに潜るためには専用の申請フォームから予約しないとダメらしいので基本無人なんだそう。

……予約せずに入った探索者も多々いるらしいけど、一切助けは出さないそう。

……怖い怖い。


「さーて、追加の探索者は受付横にいるってリリアが言ってたけど……あー、あそこか。お!これまたとんでもない奴が来たもんだぜ!おーい!」

「わはー!タジマさんとは別で有名人じゃーん!サイン貰おう!」

「初めてあった。あっちの人も最近伸びてきてる探索者」


マローさん達が見た先には2人の男性が。

2人とも真っ黒の服を着ている。

片方はピッチリとしたライダースーツに黒い大剣を担いだ人。

髪の毛赤いメッシュが入ってるし目鼻立ちキリッとしてる。

……これがイケメンってやつですな。

大剣がギターに見えてくるぐらいにはロックバンドのボーカルやってそう。


もう1人の黒い人はブカブカのローブを着て顔が真っ白。

不健康待ったナシ、魔剤バカスカ飲んで新戦場分身体作って周回してそうな雰囲気を醸し出しております。

牛乳瓶の底みたいな眼鏡はめて顔が見えないようにしてるし、取っ付きにくいですなー。

2つ名バリバリにオタク趣味に走ってそう。

あとロボットアニメの話すると早口で喋りそう。


「……おい、今失礼なこと思ってないよな?」

「ソ、ソンナコトナイヨー」

「……穿つより、バキバキにしてゴーレムにしてやろうか、万年メタボめ」

「……誰がメタボやねん!最近昼飯はパスタサラダにしたから腹囲は縮んだんだぞ?こんな暑い砂漠に豆もやしが生えてるなって思っただけで……ってエクス?!なんで?!お前Cランクだったろ?!」

「……もやし言うな脳筋規格外。ノーテンキ上司のランクアップに巻き込まれたんだよ。ストレス発散でダンジョンでドラゴンボコって倒してたら俺もSSランクだとよ……はぁ、新戦場の肉集め終わってないのに……クリスマスイベも走らないといけないってのに電波もないダンジョンとか……しかもコイツと……はぁ」


……ため息多いわ。

命懸けのダンジョン前だっての。


はい、追加の増員は俺の知り合いのエクスこと、デウス・エクス・マキナでした。




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