第870話 〈閑話〉ある場所にて
「……おい、ランクル……なんで頭撫でてるんだ」
「いやー?なんとなくー。オーコ君も王冠を被るのようになったかと思うと愛おしくなって」
「……気持ち悪い」
「酷っ!僕は君のおじいさん的な立ち位置なのに!」
「だったら見た目をどうにかしろよ!……で、何の用だ?こっちは準備で忙しいんだ」
「……アメリカに行くんだろ?その『王冠』を使うために」
「効果は上々……あとは実践で使えるか。俺は……あのSSSランクと勝負する」
「そんなに対抗心燃やさなくても良くない?高々日本人だよ?それよりももう少し体力を温存して派手に世界をかき乱す方が良くない?」
「……俺は力が欲しい。権力?名声?知らん!俺は俺の力で踏みつける……!それに」
「それに?」
「……ナウロの国王とあいつが接近したようだ。俺の素性はもうバレていると考えていい。なら今のうちに叩く」
「あー、そういえばあそこのおっさんに呪いかけてたねー。呪いというか幻覚だけど。まだ繋がってたんだ」
「……ナウロは古代から魔力を扱う人間たちが作った国。古代、妖精の国とも取引があったからな。あそこの力を手に入れれば……もっと早く!」
「まーだその事を引きづってたの!?未練がましい男はモテないよー」
「うるさい!だからこそ、俺は先手を打つ。まずは準備運動であの『出来損ない』どもを屠ってくる。その後オークション会場を襲撃する」
「『出来損ない』?あー……どこかのバカ王が作ったキメラの事?アーサー王を超えるとか抜かして制御出来ずに西に投げ捨てたとか言われてた?『アレ』も大概な強さだったよねー」
「準備運動にはもってこいだ。ランクル、止めるなよ」
「止めはしないさー。オーコ君とは『キングダム』から秘宝『大変化の王冠』を手に入れるまでの仲間って約束だったし。正直今その計画を話してくれるのも驚きだけどね」
「……一応世話になったしな。王宮でも、王冠を手に入れるためにも」
「もぉ〜!可愛いんだからぁ〜!よーしよし!いい子いい子!」
「だから!頭撫でるな!……あと数時間したら出発する。それじゃあな、ランクル。いやランクル先生」
「……君の道に幸あらんことを」
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