第869話 デスバレーダンジョンの解説と封印されし記憶
「デスバレーダンジョンが最恐と呼ばれる理由はアイテムの入手難易度ね。モンスターを倒すのはもちろんだけど、宝箱も少ないのよ」
「あー、現地でポーション入手とかも厳しいのか」
「おっきいダイアモンド!こっちはルビー?!あっちはエメラルド?!こんな大きさ初めて見た!」
「わー!きれいー!」
サオリンの解説を聴きながらミュージアムを散策。
デスバレーダンジョンから持ち帰られたアイテムが数点置いてありました。
ダイアモンドはまるで水晶の柱。
直径3メートルをゆうに超えてる。
綺麗にカットされてるからなおのこと輝いてます。
ルビーは血のように赤い輝きを放っている。
エメラルドは明るく透明な緑。
全て1メートルを超えております……
俺もこのサイズは初めてかもー。
人工的に作られたやつは見た事あるけどこれ、天然物だもんね。
「モンスターの素材はこっちね。ドラゴン系はもちろん、虫系、オーガ系、ゴーレム系などなど……末端価格100万円クラスね」
「わぁ!このドラゴンの鱗ってこの前あらた持ってきてなかった?確か小学校のお遊戯会用で」
「あーあったなー。確か軽くて堅い赤い板が欲しいって連絡があったから持って帰ってきたなー。ちりちゃん、カッコよくキメてたね」
「……しれっと何やってんのよ……ドラゴン?……まーたとんでもないことを」
いや?普通にレッドテールリザードの鱗だよ?
ドラゴンが熊本でホイホイ出るわけないじゃない。
けど、いやー可愛かったよーちりちゃんの演技。
ドラゴンを倒す騎士の役だったね。
鱗は結局ハリボテのドラゴンを作る時の参考程度で終わってたけど。
てっきり盾あたりに使うのかなって同級生全員分持っていったら校長先生が頭下げてきたもんね。
保護者としては子ども達が輝いてくれると感動しますよ。
「……この規格外に説明したのが間違いだったわ」
「へいへい、悪かったな。で、このダンジョンってショートカットとかもないんだっけ?早めに着いて早く帰りたいんやが……」
「そりゃ帰りたいのはわからんことは無いけど……んー、資料を見る限りまだ見つかってはないわね。あーさんが見つける?確か便利スキル持ってたよね?……あ!それこそアレは?」
「……アレ?」
サオリンが言うアレとは……?
俺、なんかやったか?
……思い出せないんやけど?
「……なんの話?」
「ほら、中学の時!あーさんの黒歴史!獄南との戦争の時に地元のダンジョンでやったじゃん。私を助ける的なやつでダンジョンをぶっ壊したやつ。あれ、ダンジョンの壁サラッとぶっ壊せるんだからショートカット開通とか余裕でしょ?……こんな提案するの学生時代ぶりだけど」
「だ、ダンジョン破壊?!あらた、そんなこともやってたの?!てかサオリンさんを助けたって何?!」
「あれ?ゆりさんにも話してないの?あの必殺技。まぁ、インパクトすごすぎて同級生みんなに箝口令敷いてたし、未だにニュースにも出来ないし……」
「……へ?」
……必殺技?
サオリンを助けた?
何を言って……はっ!
……アレって……アレの話か!!!
いてて……思い出したら胃が……
完全に記憶から消してたよ……
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