第726話 料理のネタばらし ……さすがにそれはビジュアルが
「さてさて、これが一番高いまであるからな!ご開帳ー!」
そう言って讃岐さんが箱を開ける。
モワッとした白い煙が出てくる。
煙が薄くなると中にいたのは……
「え?人面魚?」
「えぇ……あれ、亜人じゃなかった?人面魚って……」
「なんや?同族食べたんか?」
「これがあの赤身?ありえない……」
「足も生えてる……気持ち悪!」
女性陣が1歩下がる。
箱の中には人の顔をした銀色の鱗を纏った魚が。
ちゃんと足も生えてる……
えぇ……キモ……
「な、なんすかこれ……」
「ま、初見はそうだよなー。コイツは人面魚じゃねぇ……とも言いきれねえが。とりあえず亜人の人面魚じゃねえよ。名前は魚頭(ぎょとう)ってやつだな。人の頭を持つ魚で原産地は中国。足が早いからなかなか市場に出回らないんだぜ」
「また珍しい魚を。そもそもこんなビジュアルの魚は食べない、うん。市場で見たのはいつ以来かな、うん」
「人の頭した魚なんて、日本じゃ売れないだろうなー。捌いても顔を思い出して、ってやつだし」
ARASHIさんとイマニーさんが相槌を打つ。
女性陣はドン引きです。
そりゃそうだよ。
日本じゃ知名度ないし、そもそも人の顔がついてるやつなんて食べないよ!
俺でも今見たら食欲無くなるって……
「ほう!魚頭とな!魚頭は薬の元としてしか知らんから干してあるやつしか見た事なかったのう。ま、この見た目じゃギリ亜人相手しか出せんじゃろ。して、なんぼなんじゃ?」
「今日は3匹仕入れて合わせて100万ってとこですな。亜人間の取引で100万ってなかなか高額ですから」
「100万ならいい買い物じゃのうー。乾燥したやつでも一匹35万じゃし。あ、生物だから加工費がないからか」
「らしいっすねー。出汁用の乾燥魚頭はすげー値段だったです」
……そ、そうかー。
魚頭、胃薬の素材として有名なんだって。
アニサキスすらも一瞬で治せるとか。
何それ欲しい。
ビジュアル最悪だけど。
「何だー思ったよりリアクション薄かったなー。残念無念」
「「「「そりゃそうです!」」」」
「……うん、なかなか体験出来なかったから良しとするか、うん」
「ARASHIは前向きでいいなー……」
「それくらいが人生楽しめるぞい。ワシも慣れたしのう。ほれ、あーさん。残ったカルパッチョ食べるか?」
……うーん、いただきます。
まぁ、みんな喜ぶと思って準備したら空回りってことはよくあるし。
讃岐さん、ドンマイ!
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