第645話 はぐれ妖精ランクル・エンバレス
「……能天気なこいつがいつ気づくか気になって無視していたが……流石に今のは看過できん」
「ハッハッハ!同じく。友人に魔法を、しかもウィンドカッターを発動するとは……許せんな」
「あちゃー、バレてたか。一応不可視の魔法も付けて魔力も漏れないようにしてたんだけど」
へ?何事?
シヴの言い方的には俺になんかした感じ?
なんも感じなかったけどなー?
「……あーさん、お前は本当に、本当に魔力感知を鍛えろ。今死にかけてたんだぞ?」
「は?マジ?何も感じなかったんやけど?……あ、そういえば蚊に刺されたようなチクッとした痛みが……」
「えぇ……結構本気で首を切り落とそうとしたんだけど?」
「え?ランクルさん?!」
首を切り落とそうとしたの?!
何事?!
俺なんかした?
名前か?名前をカタカナで書いたからか?!
名前って海外だと大事って聞いたことがあるしやっぱり気にしてた?!
「……すみません。名前英語で書けなくて……英語、翻訳魔法で会話するぐらいしか出来なくて……」
「……へ?」
「……ぷっ、ハッハッハ!勘違いの方向がいつもすごいな!俺が怒っていたのが馬鹿らしくなるな!ハッハッハ」
「ぷっ!……失礼、さすがに笑うところじゃないね。ごめんごめん」
「え?じゃあ何で?……」
「……あーさん、まだ気づかないのか?こいつははぐれ妖精だ」
……あ!はぐれ妖精!
確かに魔力が一般人より高い!
てっきり外国のスパイとかで魔力が強い人だと思ってたよー。
……え?はぐれ妖精に命狙われたの?
「なんで俺殺されかけたん?」
「それは簡単な話。僕が作ったモンスターを一撃で半壊させて、あまつさえスープの材料にしてたからねー。その強さを知りたくて、今日お邪魔したんだ。あまりにも無防備だったからイケるかなって」
「……エクス、俺ってそんなに無防備?」
「……飯の時と慣れないことをしている時は後ろがガラ空き。暗殺しやすいだろうな、お前」
……ひっでぇ言い方。
まぁ、殺されかけることがダンジョン以外ではなかったしな。
って、ランクルさんダンジョン外でも魔法使えるってことは相当強くね?
結構マズイ状況では?
後しれっとゾバトレルのこと言ったよね?
あの事件を起こしたはぐれ妖精ってこと?!
「ハッハッハ!はぐれ妖精、これ以上暴れるか?それならば俺も本気を出さねばならぬぞ?」
「まっさかー!本気の一撃打つだけでもう魔力カラッカラなのに神と亜神、SSSランクを相手にするのは無理!殺そうとしたことは詫びるよ、申し訳ないね。今日は顔出しと質問に来たから」
「……詫びるくらいなら、質問する前に殺そうとするな。お前が死ぬぞ?」
「えぇ……俺そんなに野蛮じゃないぞ?ちゃんと話聞くし」
「「……」」
おい、エクスが黙るのは分かるけどシヴも黙るなよ。
脳筋の自覚はあるけどちゃんと話は聞きますー。
忘れやすいだけだから!
――――――――
閲覧ありがとうございます!
はぐれ妖精との絡みがとうとう来た!
名前の由来は赤黒サクリファイスから。
まぁランクルとの絡みはのんびり行きます……
星、ハート、コメントよろしくお願いします!
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