第597話 機械創造科(突然の出会い)
「へー、蒸気機関車ってこんな感じなんだねー」
「機械の中身って中々見ないから分からないよね」
「わー!でっかーい!」
「ふぉー!ぽっぽー」
りゅうくんがすごいテンションで飛び跳ねる。
次にやってきたのは機械創造科。
工場用ロボからダンジョン探索用小型ゴーレムまであらゆる機械を研究・開発している学科です。
ここの展示は論文と実物展示。
実際の機関車を研究用に静態保存しているので、乗りながら説明が聞ける。
……実際に動いている雲母丸がいるから楽しみ半減になってしまって申し訳ない。
文句は学生時代に作って封印の解き方を伝えてなかったデウス・エクス・マキナに言ってもろて……
ゆりと子どもたち、フェリダーさんは機関車の見学ツアーに参加して俺とロクはほかの展示を眺めておこう。
機械、見てるだけでワクワクするのは俺だけかな?
歯車が回転して巨大なアームが音を立てて動く姿、カッコイイよねー。
スチームパンクなら尚のことよし。
「もし、もし」
「その魔力、田島さんですか?」
「ん?はい、そうですけど……ん?」
機関車を見ながら歩いていると後ろから呼び止められた。
振り向くと2人の女性が。
顔が瓜二つ……双子の方ですか。
ギリシャとかイタリアなんかにある石像に似た綺麗さがある顔立ちですね。
留学生か何かかな?
俺を魔力で判断するあたり、なんかデジャブを感じますが……
「私の名前はカイラ。崩城大学機械創造科3年」
「私の名前はミュレ。崩城大学機械創造科3年」
「あ、どうも挨拶ありがとうございます。田島です。」
「は?!あ、あなた達、どうしてここに?!」
自己紹介をして頂いたので俺も頭を下げる。
ロクが知り合いっぽいね。
……なんかやな予感はするけど。
「おや、おや。それはこちらのセリフ」
「ロク様もお元気そうで。ご無沙汰でございます」
「あれ?そこ知り合い?」
「ま、まぁ知り合いというか、顔見知りってとこだね。この子達はゴーレムの1種【嘆き悲しむ花崗岩の天使】って呼ばれてる子達だね。亜人と言うよりは深淵のモンスターに近いかな?」
へ?マジ?
深淵のモンスター、また地上にいるの?!
亜人が日常生活にゴロゴロいるってのは薄々感じてはいたけど、深淵モンスターがいるのは想定外なんですが?!
「まぁ、地上では人間ですので」
「力は7割ほどセーブされています」
「にゃ、それは大変ですにゃー。私はセーブとかされてないですけどにゃー」
「そりゃ、フェリダーさんは深淵から出てくる方法が特殊すぎるから。普通意志を持って深淵から出ようとするととんでもない制限受けるからね?異世界転生するようなもんなんだから」
ロク曰く、マジで死にかけるらしい。
……ほぼ死んでたあのクソピエロが超えてきたのはなんでだよ。
解せぬ。
まぁ、それはともかく。
この2人はとある深淵に住む貴族のメイドさんだそう。
何でもロクの旅館に泊まりに来るぐらいには交流があるそう。
いやー世間って狭いね。
「……けど、なんで2人が崩城に?しかも機械科の生徒だよね??」
「それは、あるものを見つけるため」
「大学3年目で見つけることが出来ました。田島さんのおかげです」
へ?俺のおかげ?!
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