第596話 応用生命神秘科・応用微生物神秘研究科
子ども達の体験学習が終わったので次の学部へ。
次に向かったのは応用生命神秘研究科と応用微生物神秘研究科の合同展。
この学部は生命の専門家をめざし、化学、魔法、環境、工学など多方面から研究している。
ちなみにゆりの卒業した学科でもあります。
ここの展示はふれあい動物。
生態研究のために阿蘇に牧場持っているのでそこからヤギやうさぎなどを連れてきて専用のドッグランに放牧している。
阿蘇の牧場、近くにある東南海―東南海総合魔導大学―と合同運営してるんだったかな?
あっちは牧畜専門で研究し、こっちは生態と栄養管理をしてる的なことを言ってたなー。
ゆりも学生時代、阿蘇に行って泊まり込みで仔牛の出産に立ち会ったって言ってたっけ。
「わー!やぎさんだー」
「うさぎさんかわいい」
「……いい……すごく、いい」
子どもたちはお触りOKの場所でやぎとうさぎを撫でている。
ゆりもうさぎを膝に乗せて満足そうだ。
家ではフェリダーさんをいつも吸ってるらしいので新しい刺激になっているのかな?
落ち着くのであればよかったです。
「……あーさん、あーさん」
「ん?どした?ロクも餌やりするの?」
「違うよ。まぁ楽しそうではあるけど。この子達ってモンスター?地上に出して大丈夫なの?」
「あーその事?一応親の代から躾をしてるから暴れない的なことを言ってた気がするけど、俺も詳しくは知らないなー」
「にゃ!見た感じ首輪にリラックス効果と電気を送る機能が付いてますにゃ!電気が出たら動かないようにしてるらしいですにゃ!」
おぉ、そういえばフェリダーさんはモンスターと喋れるんでした。
東南海の飼育しているのはモンスター。
正確には家畜がダンジョンの魔力で変化したモンスターを専門に飼育・研究している。
ここにいるヤギは白歯牙山羊と呼ばれる日本在来の山羊がモンスター化したやつ。
ダンジョン内だと真っ白な歯で暗闇でも輝いて見える草食モンスター。
牙はあるけど主に木の皮を剥ぐ用なので噛み付くことも少ない。
「にゃにゃにゃ。そういう事ですかにゃー」
「ん?なんか喋ってるの?」
「いや、この首輪付けられて辛くないのか?って聞いたら『そもそもこんな威力の電気じゃ肩こりにも効かないけど、無視すると飯が貰えないから従順な振りをしているぜ』『これだから人間は……フッ』との事ですにゃ。まぁ電気は耐性が付きやすいですからにゃー」
「……後で学生に行ってボルト数上げてもらうか」
あ、今日一の大声が山羊から出ましたね。
どんまい。
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