第595話 ナノマテリアル科

学科展

各学部が日々の研究成果を発表する展示会。

崩城大学は学部がそれぞれあるからねー。

展示内容は学科毎に異なるけど、実験だったり論文紹介したりと一般人に分かりやすく解説してある。

学生も待機しているので質問もできるし結構楽しいね。


とりあえず最初に来たのはナノマテリアル科。

素材研究などのナノレベルの研究に特化した学科コース。

ここの学科展は化学実験。

スライムを作る体験が出来る。


「わー!スライムできたー」

「ふにふにー」

「おぉ、2人ともいい感じに出来たねー」


ちりちゃん、りゅうくんが作ったスライムを見せる。

ちりちゃんの方がちょっと硬さが足りなかったのかサラサラしてるけどしっかり出来てるじゃない?

りゅうくんのスライムも触ると中々いい感じに出来てるし、わが子賢すぎない?


「まさか田島さんがここに来るなんて思ってなかったですよ」

「いやいや、こっちこそ。そういえば学部聞いてなかったねー。まさか2人ともナノマテリアル科だとは」

「アゲハも驚きです!……あ、私だった」

「アゲハは無理に口調直さなくていいよ。そのままの君が好きなんだから」

「もう……」

「おふたりー。デレるならシフトの終わりにねー」


ゆりが二人につっこむ。

はい、学科展の担当学生は河内君と光森さんでした。

ご無沙汰ですねー。

ダンジョンに一緒に入ってたけど学科は聞いてなかったね。

話聞いたら卒研室も一緒で、就職先も一緒だって。

なんなら卒業したら結婚するらしい。


……リア充ー。


まぁ、俺もそんな感じだったし人のこと言えませんな。

結婚式は呼んでもらっても構わんし、呼ばれなくてもプレゼント送るから。


「ご、ゴホン。では次の実験に移りまーす。参加者の方はこちらへー」

「保護者の方はこのまま待機でも問題ありませんので、お待ちくださーい」

「じゃ、2人見てくるね。ロクさんはここに残る?」

「そだねー。ちょっと論文読んでみようかな」

「にゃーん(私はついて行きますにゃー)」

「お、フェリダーさんがついて行くっぽいから一緒に行ってあげて。俺はロクと一緒にいるよ」

「おっけーおっけー!楽しんでくる!」


子ども達は次の体験コースに向かうとのことで俺とロクは展示会場に掲示されている論文でも見ておきましょう。

付き添いはゆりとフェリダーさんが入れば大丈夫でしょうしね。

ロクはこういう論文が掲示されている場所に来るのは初めてだそうで興味津々です。


「ふんふん。なるほど。全く分からない」

「……わかってるふうにキメ顔するなよ」

「私も見た目は気にするからね?けどこの論文は中々芯を得てる。魔鉱石の使い方をここまで調べてるってすごいよ?あとポーションの使い方!こんな使い方は知らなかったよ!」


ロクが指さした論文を見てみる。

なになに……

超巨大魔鉱石アンオブタニウムから発せられるマイクロ波による鉱石間の共鳴効果について?

下級ポーションを利用した鉄鉱石の形状変化と性質変化について?

……学生時代から思ってたけど、論文ってすげー難しい言葉使うよね。

説明されてはいるけどイメージが付きにくいというかなんというか……

けど、研究は新たな発見があるから楽しいんだよね。

まぁロクが気に入ったのなら凄いんだろうね。


そういえば、サークルの同期で、ゆりの親友のゆーちゃん、あやちゃんはナノマテリアルだったな。

確か付き添いでオリハルコンとヒヒイロカネ取りに行かされたなー。

懐かしい記憶だ。






―――――――――――――

閲覧ありがとうございます!


ちょっと話数調整のため今日明日は3話公開になります!


これが終わったら1日2話投稿に戻ります!


星、ハート、コメントよろしくお願いします!


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