第587話 始動!魔導蒸気機関車【カラクリ雲母丸】

「さてさて、ご覧あれ。学生時代に知り合いと作った魔導蒸気機関車【カラクリ雲母丸】のおなーりー」


俺がハンドルを回すとガラガラと音を立てて地面が割れていく。

そこから出てきたのは青く描かれた魔法陣。

魔法陣の上には黒いモヤが漂い、次第に形を形成する。



ジリリリリリ……




プシュー……プシュー……ガッコ……ガッコ……




どこからともなく警報音が鳴り響き、黒いモヤから巨大な機械が動く音が響いてくる。

出てきたのは真っ黒な車体。

蒸気をあげる黒鉄の車体……蒸気機関車の姿がそこにあった。


「な、なんですかあれ?!」

「機関車?!こんなものがここにあったなんて!」

「でかい。そして魔力が溢れてる」


学生のみんながそれぞれ感想を言う。

周りのギャラリーも騒然としている。

この反応的に本当に久しぶりに出てきたんだろうなー。

一応誰でも使えるようにしてたんだけど、魔力枯渇してたから動かなくなってたっぽい?


魔導蒸気機関車カラクリ雲母丸

俺とデウス・エクス・マキナ、機械科の知り合いなどなど総勢10名で作った運搬用機関車。

あの時は学科棟の修繕工事で第2駐車場にしか大型車が停めれなくて機材とか運ぶの大変でねー。

いっちょやるか!ってことで作ったんだよねー。

途中から趣味全開で作り始めて完成した時には機関車になってたよね!

スチームパンク最高!


「蒸気で動くのは形だけで燃料は魔力だけでOK。最高速度は車より遅い40キロになってるけどあの坂を一定速で登れるから全然アリだと思うよ。積載量は客車1台につき60名。確か2両用意してたはずだから余裕で1往復で全然話し変わると思うよー」

「……えっと」

「……これ、マジですか?」


宇佐君と別府君の口が閉まりませんね。

まぁ、短期間で作ったやつだし、そもそも小型化が成功してないから仕方ないよね。

狭いところには入れないから第2駐車場から機械科までを往復するぐらいで勘弁して欲しいかな?

え?そういうことじゃない?


「ふんす!これ楽しそう!ダンジョン部が管理する方向でシンに話してくる」

「はっ!今藤さん!これの管理は実行委員会で管理しますから!」

「委員長、けど人員足りてないよね?警備員、ボランティアで賄ってるけど大丈夫そ?」

「う……」

「宇佐、諦めろ。そもそもボランティアもダンジョン部から借りてる状況だから増えても変わらない」

「ん、副委員長は話がわかる。てことで操作方法を教えて」

「おっけー任せろ!まぁ、そもそも自動運転だから管理とか大丈夫なんだけどねー」

「「「自動運転?!」」」


そそ、こいつはね……っとコアが動き出した。

やっとお目覚めか。


『ン……ネム……』


低い声が辺りに響く。

……コイツ、まだ寝る気か?





――――――――――

閲覧ありがとうございます!


雲母丸のイメージはSL人吉です。


まだ人吉を走っている時に写真を撮りましたけど迫力凄かったなー。


走っている姿、また撮りたい。


星、ハート、コメントよろしくお願いします!




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