第209話 ダンジョン農家

「この野菜は自宅で育てている野菜です」

「そ、育ててる?!大九田さんはダンジョン農家さんでしたか!」

「まだ始めて3年目ですけどね。この野菜たちも育てたと言うよりは移植して、育ててるに近いです」


そう、ゴン太とミミの夫婦はダンジョン野菜を育てる農家だ。

ダンジョン農家はダンジョンで野菜を育ててる訳ではなく、ダンジョンで採れる野菜を地上で育てている農家。

ずいぶん前に倒したスカルドラゴンの骨とかを肥料にすると栄養はもちろん魔力も含むことがありダンジョンに生えている植物も地上で育てることが出来る。

まぁ、栄養はもちろん魔力の管理もしないもいけないので市場に出荷できる野菜はほとんど無いんだけどね。


ゴン太とミミの農園は8割通常野菜、2割ダンジョン植物を育てている。

ダンジョン植物は痛みやすいし、数も多くないから地元のレストランに卸してるらしい。


「今回は急ぎと言うことで傷ありも持ってきてますけど味は保証しますよ。うちの野菜は栄養満点なので!」

「傷アリなんて!こんなにみずみずしい野菜は始めてです。大九田さん、ありがとうございます!」

「いえいえ。今年の秋には販路拡大もかねて移動販売もやりますので。そのときはギルドでも買取りしていただけると助かります」

「野菜の買取りは私の管轄外なので分かりかねますが、個人的に買いたいので後で連絡先教えて欲しいですね」

「いいですよ。スマホスマホー……」


……完全に2人で盛り上がってるなー

まぁダンジョン農家なんて数少ないし、個人で買えるなら買いたいよね。

野菜美味しいし。


「あの2人、仲良くなりそうだな。ゴン太も連絡先交換してこいよ」

「そういうのはミミの仕事だ。スマホは小さすぎて使いこなせない」

「無駄にでかいからなーお前の手。あとバカ強いから握りつぶすか」

「……言うなよ。気にしてるんだから」


ゴン太、ドンマイ。

とりあえず野菜も揃ったし、祝賀会は問題なく開催できそうだ。

ゴン太たちにはギルドから野菜代として2500万ほど振り込まれるそう。

内訳は野菜が1000万、魚が1500万。

白絹鮎の希少性も加味して、とこのと。

シゲさん、ここに来てたら飛んで喜んでたろうなー。

あと、今回急ぎ準備して貰ったこともあるのでゴン太たちはそのまま祝賀会に参加して貰うことにした。

参加者は熊本の要人ばかりだけど、俺の推薦枠ってことで無理を言って空けて貰った。

まぁ家族枠でゆりや子どもたちも来るし、多少はね。

感謝の意味も込めて福崎さんにお願いしました。




あ、そういえばミノタウロスの代金について話してないですよ、福崎さん!

あ、今度まとめて払う?ドラゴンの素材分合わせて3億円?

……お待ちしてまーす(汗





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