第207話 知り合いです
翌日、ダンジョンで取れた食材を祝賀会があるホテルに運び込む。
料理長さんに泣いて感謝されたよ。
まだメインが揃ってないから早いと思うよ……
荷物を運び込んだのでロビーでコーヒーを飲みながら一休憩。
知り合いには食材が取れたらホテルに運んで貰うように連絡済なのであとは待つだけ。
とりあえず野菜と川魚を持ってくるらしいので最低限大丈夫そうだ。
福崎さんも一安心だそう。
後で経費として依頼料を貰いますよ!
10分ほど待っているとホテルの前に大型トラックが停まった。
出てきたのは2メートル近い巨体の男性と一回り小さい女性。
一回り小さいとはいえ180センチは超えてるけどね。
ロビーに入ってくるとさらに威圧感が増す。
天井のシャンデリア、擦るんじゃない?
そのままノシノシ歩いていって受付へ
「ちわーっす。あーさん……じゃなかった田島さんっています?」
「た、田島さんですね。あちらに」
「どうもありがとう」
受付の人に会釈をしてこっちを向く。
「おー、あーさん。ココにいたか!いつにも増して小さいな!」
「うるせーぞゴン太!……図体もでかいけど、声もでかいんだよ。ここ一応3つ星ホテルだぞ」
「ブハハハ、そこは変えられねぇよ。お前も小さい割には声でかいぞ!」
「いや、あんたの声のでかさは直しな、全く。田島さん、ご無沙汰しています」
「……ミミ、いきなり口調変えるのすげー違和感あるぞ……いつもの口調でいいよ」
「いや、一応体裁は整えないといけませんから。この服だって探すの大変だったんだよ、全く」
女性の方が服を見せるようにくるっと回る。
……おい、口調戻っとるがな。
体裁気にするならもう少し堪えろよ。
まぁこの2人に敬語とかは似合わないので普通に話して欲しいけど。
「田島さん、お知り合いですか?紹介していただいても?」
「あ、そうだった。福崎さん、今回野菜を持ってきて貰った俺の知り合いです。こっちの大きい方が」
「俺は大九田権蔵(おおくだ ごんぞう)。知り合いからはゴン太って呼ばれてるのでよろしく。こっちは妻のミミだ」
「ミミです。よろしくお願いいたします。今回は野菜と魚をお持ちしました」
「はじめまして。よろしくお願いします。大変助かりました。奥で料理長が待機しておりますのでお持ちいただけますか?」
「承知しました。あんた!さっさと持ってくる!」
「えー、コーヒー飲んでもいいだろー?」
「ごちゃごちゃ言わない!鮮度が下がるだろ!」
ボコッと音を立てて鉄拳制裁を受けるゴン太。
この2人、本当に仲がいいね。
中学の頃から変わってないよ。
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