第137話 衝撃の再会

オークション会場の中は劇場みたいに円形状になっている。

日本の席は右側の壁沿い。

俺、トイレ近いから入り口が近いと楽でいいわー。

周りは各国の要人の方が並んでる。

さっき入り口で見た人たちも席に座って各々話してる。


「あ、ここにいたー!」


ふと大きな声が聞こえた。

振り向くと女性4人組が立っていた。

赤、黒、白、青の服装を着ている。


「……俺ですか?」

「ちょ!その反応!ひどくなーい?」


一番手前の赤服の女性が頬を膨らませて睨んでくる。

……俺海外の探索者の知り合いなんて留学先で話したインドの人しか知らないよ?


「……本当に分からない?」

「すみません……」


赤服の人が頭を抱えてしまった。

青服の人に慰められてる。

本当に申し訳ない、人覚えるの苦手なんですよ。

必死に思い出そうとしていると黒服の人が近づいてきた。


「全く、君のそういうところ、変わってないね。まぁケッチャンはあの姿では初めてだしね」

「ケッチャン?」


あ、ケッチャン!

その響き……あ!思い出した!


「あ、アステカの!」

「そうそう、やっと思い出した?」


ニヤニヤ笑う黒服。

そういえばコイツ、いつもケッチャンをいじって楽しんでたな。

姿が違うから分からなかったよ……


「あーさん、いや田島さん。この方々と知り合いですか?この方々はメキシコで有名な探索チーム『四つの太陽』の方々ですよ。詳しく教えていただけますか?」


サオリン、カチッと仕事モードに変わったな。

流石、東京のテレビ局に就職しただけはある。


「あー、知ってるよ。昔会ったことがあって……って探索者!?探索者やってんの!?」

「お、いい反応。前あーさんにあってから興味が出ててね。他の皆も誘ってギルドに入ったらサクッとランクが上がっちゃってねー。楽しいのよこれが」

「でしょうね!ケッチャンもそうだけど他の方々も普通の人間じゃ勝てないでしょ……」

「……不穏な言葉が聞こえてくるのだけど、説明お願いします」


サオリン、ジト目にならないで……


「……信じにくいと思うけど、この人たち、全員神様だよ」

「は?」


サオリンが目を丸くしてる。


「そういうこと。初めまして、お嬢さん。アステカ神話、第一の太陽を司りし神、『黒豹神』テスカトリポカさ。今は探索者としてはテスラ・ポリーカで登録してるので君にはそっちの方が馴染み深いかな?どうぞよろしく」

黒服―テスカトリポカ―がサオリンに向かってお辞儀する。





あ、サオリンが気絶した。



――――――――――

閲覧ありがとうございます!


知り合いの神、登場です。

決して某ゲームで爆死したから出したとかそんなことはありません。


改めて調べたらテスカトリポカって黒い豹(ジャガー)の姿、大熊座の神、煙を吐く黒曜石の鏡等々あるみたいです。

……漢字は当て字なのでご容赦ください。



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